「戸籍 ③」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

9月に入りだいぶ涼しくなってきましたね。

まだ日中は熱いので熱中症には気を付けて過ごしましょう。

今回のブログは前回の続きで「戸籍 ③」について書きます。

前回は戸籍謄本の「改製原戸籍」の内容を書きました。

昭和23年以前のバージョンのもので、それより前の大正の戸籍は内容は複雑なので、あとで書きます。

今回は、コンピューター化された戸籍「全部事項証明書」について書きます。

おさらいですが「全部事項証明書」とは、今までは紙に記録していた戸籍でしたが平成6年に戸籍法の一部が改正され、戸籍を磁気ディスクに調整できるようになり「戸籍のコンピューター化」することができるようになりました。
今まで縦書きだったのが、横書きになりました。

「除籍謄本」とは、婚姻や死亡によって現在の戸籍から外れる「除籍」を記録したもので、これも現在はコンピューター化され、「除かれた戸籍の全部事項証明書」と呼ばれます。

(全部事項証明書について)

コンピューター化される前の改製原戸籍と見比べると分かりやすいです。

念のためリンクも貼ってますが、ここでもPDFを挿入します。

下記が「改製原戸籍」です。

次が「全部事項証明書」です。

ぱっと見の大きな違いは縦書きと横書きの違いですが、中身も随分変わりました。

①について

改製原戸籍と同じで本籍と筆頭者の氏名が始めにきます。戸籍の牽引的な役割です。

②について

【改製事由】平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改正という文言はコンピューター化による改正を示します。

※改製原戸籍の場合は、戸籍謄本の本籍の右側に「平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改正につき平成〇年〇月〇日削除」という文言があります。

③について

身分事項には 【出生】や【婚姻】、【死亡】の内容が記載されます。上は戸籍謄本の発行時に既にお亡くなりになっている場合です。

改製原戸籍の場合は、除籍した者は×の印が付けられていましたが、全部事項証明書はきちんと「除籍」と大きく記載されてます。
筆頭者が死亡しても「除籍」の記載をして戸籍は存続します。ここは大きな違いの1つです。

※改製原戸籍には記載のあった死亡事項は省略されているので注意して下さい。

④について

配偶者についての欄です。

⑤について

配偶者の身分事項欄です。【出生】や【婚姻】の内容が記載されます。婚姻の場合は配偶者の氏名も記載されます。
あと、戸籍のコンピューター化以後も出生事項は移記されます。
ですが、夫との婚姻や以前の本籍地は、改製原戸籍を確認しないと分かりません。(従前の本籍地は記載されます)
ここも改製原戸籍との大きな違いです。

⑥について

子についての欄です。

⑦について

子の身分事項欄です。
母と違い【受理者】の記載はありません。

ちなみに子が改製原戸籍の時点では同じ戸籍だったが、結婚などで新戸籍を編製していた場合は、コンピューター化後の戸籍には移記されません。

※つまりコンピューター化される前と後とで大きく違い、実は隠れている事実が多いので全部事項証明書も改製原戸籍もどちらも取り寄せて確認する必要があります。

〇認証文について

全部事項証明書の枠外の一番下に「これは、戸籍に記録されている事項の全部を証明した書面である。」という認証文があり、日付や職印があります。(電子職印です。)

(まとめ)

すみません。今回除籍謄本まで書きたかったのですが、思いのほか長くなってしまったので除籍は次回書きます。

今回の全部事項証明書のブログで一番伝えたかった事は、改製原戸籍と全部事項証明書は記載される内容が違い、改製原戸籍には記載されていたところが、移記されないことです。

例えば、相続のために戸籍を集める場合、被相続人の出生から死亡までを確認しますが、実は把握していなかった全く知らない相続人が浮上してきたりする時は、この移記されない見えない時間軸の中に存在することがあります。

ですので、まず現在の全部事項証明書をみて、過去に遡るため改製原戸籍をみて、相続人を全員確定させるため除籍謄本もみるという作業になります。

お亡くなりなった方がご高齢ですと、1つ前の改製原戸籍だけでなく、もう1つ前に遡る必要があります。

とりあえず、全部事項証明書まで書いたので残りの除籍謄本や昔の改製原戸籍の読み方を書いていますので宜しくお願いします。

次回は「戸籍 ④」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。