「戸籍 ②」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

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今回は前回の続きで「戸籍 ②」について書きます。

前回のブログで戸籍の予備知識を書きました。

予備知識がないとなかなか入ってこないからです。

前回のおさらいですが、戸籍は種類があります。

・戸籍謄本

・戸籍抄本

・除籍謄本

・改製原戸籍謄本

戸籍の歴史自体は古く、何度も改正されてきました。

改製原戸籍→戸籍謄本(全部事項証明書)の流れです。

今回は実際に戸籍の詳細や読み方などについて書いていきますが、流れとして古いものから書いていきます。

大正時代の戸籍は最後に回します。

(戸籍の基本的な読み方)

ちょっとざっくりですが、戸籍の記載の配置は下記になります。

まずは、「改製原戸籍」の内容です。

今回はコンピューター化される一つ前の昭和23年の現行戸籍を書きます。それより以前のものは読み取りの難易度が高いので後で書きます。

戸籍謄本の枠外左に市町村長の認証文「この謄本は、原本と相違ないことを認証する。」と書かれていて、日付や職印があります。

①本籍欄

②筆頭者欄について

本籍欄と筆頭者氏名欄は、その戸籍のタイトルみたいなもので、戸籍の牽引的な役割です。

③戸籍事項欄について

戸籍事項欄には、戸籍に記載される全員に共通する事項が記載されていて内容は下記です。

一般的には結婚等で新戸籍が出来ます。

・新戸籍の編製事項

・氏の変更事項

・転籍事項

・戸籍全部の消除事項

・戸籍全部に係る訂正事項

・戸籍の改製事項

具体的な文としては「婚姻の届出により昭和〇〇年〇月〇日夫婦につき本戸籍編成」㊞などです。

④身分事項欄について

戸籍に記載されている各個人の事項は個別に上段に記載されます。

例えば、⑤には筆頭者とその父母の名前が記載され、⑥と⑦も同じですが、各個人の事項をその真上の上段に記載します。

記載される内容は下記です。

・出生に関する事項は⑦の子

・認知に関する事項は⑤の父と⑦の子

・養子縁組は養親と子

・特別養子縁組は養子

・婚姻、離婚に関する事項

・親権又は未成年者の後見に関する事項は、未成年者

・氏の変更に関する事項は、氏を変更した者

・名の変更に関する事項は、名を変更した者

※その他色々あります。

ちなみに、死亡や結婚で戸籍から出る「除籍」になった場合は、身分事項欄にその事が記載され、個人の名前のところに×が付けられます。

身分事項欄の具体的な文としては下記です。

戸籍には句読点がなく読みにくいので、ポイントになるところを太文字にしてます。

父の場合

・昭和〇年〇月〇日福岡県久留米市〇〇町〇丁目〇番地で出生父〇〇届出同月〇日受附入籍

・〇〇との婚姻届出昭和〇年〇月〇日 受附

・平成〇年〇月〇日午後〇時〇分久留米市で死亡同日親族〇〇届出除籍

母の場合

・昭和〇年〇月〇日福岡県久留米市〇〇町〇丁目〇番地で出生父〇〇届出同月〇日受附入籍

・昭和〇年〇月〇日〇〇との婚姻届出〇〇県〇市〇町〇丁目〇番地〇〇戸籍より同日入籍

※いつ婚姻届をし、どこから、誰の戸籍からこっちの戸籍に入籍したか書かれてます。

・平成〇年〇月〇日夫死亡

子の場合

・昭和〇〇年〇月〇日 福岡県久留米市〇〇町〇丁目〇番地 で出生父〇〇届出 同月〇日受附入籍

こんな感じで各個人の人生のストーリーが記載されます。

⑤父母との続柄について

筆頭者、配偶者、子の各個人の父母との続柄が個別に書かれます。

養子縁組の場合は、養父と養母の名前が記載され、特別養子縁組の場合は、「 養父と養母 」という記載ではなく、「父と母」という記載になります。

つまり特別養子縁組と分からないようになっています。

なぜかというと、「特別養子縁組」は普通の養子縁組と違い、養子縁組によって実親との関係が完全になくなります。

もともと「特別養子縁組」は「子どもの福祉を図るため」の制度で、実親が精神的・身体的・経済的な事情で、子の監護養育をできなかったり、虐待などがあったりなどの事情で子を保護する目的だからです。

※相続人の調査のため戸籍を収集する場合は、通常の養子縁組は注意をして下さい。

通常の養子縁組の養子は養親と実親どちらともの相続権がありますし、養子がお亡くなりになった場合は、直系尊属はケースによっては養親と実親どちらも相続権があります。

(まとめ)

まず今回からは比較的読みやすい戸籍から内容の詳細を書いています。

昭和と平成の戸籍は読みやすいですが、昭和23年以前の大正の戸籍は複雑なので最後に書きます。

現行戸籍は、まずタイトルである本籍地と筆頭者、そして家族の各個人の入籍の経緯、除籍の経緯などが記載されます。

出生、死亡、結婚、離婚、養子縁組など人生の転機は様々で色んな種類があるので、読むと面白いものです。

会ったこともない人の人生模様が見て取れます。

次回はコンピューター化された「全部事項証明書」、「除籍謄本」について書いていきます。

次回は「戸籍 ③」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。