こんにちは。
福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。
今日は私の母の命日です。
本来なら実家のお墓に行きたいところですが、コロナのあれで県外への移動は控えないといけません。
ちょうど今相続のブログを書いている途中なので、色々思い起こすことがあります。
結局、後悔が多いものです。
母には優しく接していたつもりですが、もっとあの時傍にいてやれば、とか、あの時この言い方をしていればよかった、など様々です。
人は失わないと気付かないもので、そのことを知っていたとしても、何かを失うと必ず何らかの後悔するサガがあるのでしょう。
今回が「相続 まずやること」の最終回となります。
宜しくお願い致します。
相続が発生すると、色々大変なことがあるので、全体の流れを書いています。
流れとしては下記になります。
①相続人の調査と財産調査
②遺言書の有無
③準確定申告
④遺産分割協議書の作成
⑤財産の名義変更
⑥相続税の申請と納税
前回で、④遺産分割協議書の作成を書いたので、今回は残りを書いていきます。
(⑤財産の名義変更について)
財産の名義変更で代表的なのが「預貯金」と「不動産」です。
今回は預貯金について書きます。
あとついでに「自動車」についても書きます。
預貯金に関しては不動産や自動車と違い「名義変更」という単語は馴染まず、預金の引き出し等になります。
金融機関に死亡した届を出すと預金は凍結しますので、引き出しは出来なくなります。
その状態で、どの様な手続きを踏むかを書きます。
〇相続関係届出書について
どの金融機関でも名称は異なりますが、「相続関係届出書」的な名前の書類を書いて提出します。
これは、被相続人の名前や住所、支店名や口座番号、来店した人の被相続人との関係や名前、住所などを書きます。
ここで注意して頂きたいのが、多くの金融機関は口座開設店でなくても、別の支店で手続きが出来ますが、出来ない金融機関もあります。
どこの支店でも対応可能なら、最寄りの支店に足を運べばいいですが、そうでない場合遠方まで出向くことになるので、大変です。
郵送対応してもらえればいいのですが、本人確認のため原則ですが、行かないといけません。
金融機関での手続きの場合、下記で大きく変わります。
①遺言書がある場合
②遺言書がない場合
①遺言書がある場合について
A 預金を承継する受遺者が手続き
B 遺言執行者が手続き
Aについて
まず、銀行に提出する届出書は受遺者の署名と実印の押印が必要です。ですので、同時に印鑑証明書も必要です。
公正証書遺言ならいいですが、自筆証書遺言は法務局保管分でなければ、家庭裁判所で検認を済ませておく必要があります。
その他必要書類は下記です。
・除籍謄本
生年月日や死亡日を記入するので、その時にも使えます。
・通帳
見当たらない場合は紛失届をします。
原本の提出をしますが、通常金融機関は複数あることが多いので、原本を還付してもらって各金融機関で手続きします。
Bについて
提出書類は下記です。
・相続関係の届出書
遺言執行者の署名と実印が必要です。ちなみに遺言執行者の代理人も対応が基本的には出来ます。
・遺言書
これも公正証書遺言でない場合、検認する必要があります。
・除籍謄本
・遺言執行者の印鑑証明書
身分証明で免許証やマイナンバーカードも必要です。
・通帳
見当たらない場合は紛失届をします。
②遺言書がない場合について
遺言書がない場合は、通常「遺産分割協議書」を作成するので、それを提出します。
提出書類ですが、遺産分割協議書の場合少し変わってきます。下記の書類が必要です。
・相続関係届出書
預貯金を相続する人の署名と実印が必要です。
・遺産分割協議書
前回も書いた通り、相続人全員の署名と実印が必要です。
・被相続人の出生から死亡までの「連続した」戸籍謄本
これは相続人全員を証明するために必要です。
・相続人全員の戸籍謄本
これも相続人全員を証明するために必要です。相続人が亡くなっていた場合、代襲相続とかもありえるので。
・相続全員の印鑑証明書
・通帳
見当たらない場合は紛失届をします。
以上が金融機関での対応方法です。
経験上から言うと結構大変です。
最寄りの支店で対応ならいいですが、開設店に行かないといけない場合や、金融機関での対応時間も30分くらいで終わるところもありますが、基本的に1時間以上は時間がかかるので、金融機関が沢山あると、相当時間をかけることになります。
郵送対応が出来ればいいのですが、やはり本人確認は重要なので、面前確認となります。
〇自動車の名義変更について
自動車の所有権様がお亡くなりになった場合は、管轄の陸運局で「移転登録」をします。
車の売買の時と同じ様な書類ですが、相続の場合は、他に必要書類があります。
基本的に自動車の相続は複数人で共同相続することは、あまりないので、相続人1人と仮定して書きます。。
・移転登録書類一式
・被相続人の出生から死亡までの「連続した」戸籍謄本
金融機関と同時に相続人全員を証明するために必要です。
・相続人全員の戸籍謄本
これも相続人全員を証明するために必要です。相続人が亡くなっていた場合、代襲相続とかもありえるので。
・車検証
・自動車保管場所証明書(保管場所が変更なければ不要です。)
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書
自動車の相続で意識した方がいいことは、自動車を相続して使用せずに売却しようと考えていた場合、自動車は物なので、日に日に減価償却費で価値が下がるので、早めに協議書を完成される必要があります。
(⑥相続税の申請と納税について)
これはご存知の方が多いと思いますので、簡単に書きます。
相続税の申請と納税は相続が開始してから10ヶ月以内に手続きを行う必要があります。
提出先は被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
相続税申告書は郵送で対応可能なので楽です。
〇基礎控除について
基礎控除額の計算方法は下記です。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人が2人だったら、4,200万円までの財産は基礎控除になります。
ここでの注意点は相続人ではない「受遺者」の人数は含まれないことです。
気をつけてください。
この頃には、財産目録もある状態なので、相続税もある程度の金額は把握できると思います。
(まとめ)
今回で「相続 まずやること」シリーズは最終回となりました。
実際手続きをしていくと大変だったり、イメージが湧きにくい部分もあると思い、ポイントを書いていきました。
相続手続で一番大切なことは、「後回しにしない」ということです。
前倒しで並行して手続きを行うことで、余裕を持って進めることが出来ます。
銀行の担当者と話していて思うのですが、現在相続手続は急増しています。
一生に何度もあることではないですが、身近な手続きの1つとしてご認識頂ければと思います。
次回は、「事業復活支援金 概要」を書きますので、宜しくお願い致します。