自筆証書遺言について

こんにちは。 福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!

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「LIFE行政書士」は皆様の生活に密着した様々な営みにアドバイスが出来るスタンスで仕事をしていきたいと考えていますが、その中でも相続に関連する内容には特に力を入れます。

実は私は根っからのおばあちゃんっ子だったため、祖母が他界した際の親族の顔や様子を思い出すときに、もっと生前にこうしていたらとか、家族はどういう準備をできていればとか、法律を深く学ぶにつれ思い返すことが多かったからです。

ですので第1回目は、皆様よく耳にしてもなかなか詳しい内容をご存じでない方も多い「遺言書」についてまず書いていきます。

「遺言書」は海外ではポピュラーですが、日本ではドラマや映画の世界のなかの話のようで、まだまだ身近に感じていない方も多いと思います。
ただ、この「遺言書」を正しく理解し作成することで、自らの思いを形として残すことが出来ます。

遺言と似た言葉に遺書というのがありますが、違いとしては遺言は内容について一定の法的効果を生じるものに対し、
遺書は法的効果を伴わない手紙等となります。

遺言を作成するメリットは、まさに遺言は法定相続より優先されるため、自分の思いで遺産を分配できることです。
遺言が無い場合は法定相続にて手続きが進みますので、特別な思いがある場合は遺言書を残した方がいいです。

遺言の種類として代表的なものは以下2つです。

①自筆証書遺言
②公正証書遺言

今回は①について書いていきます。

「自筆証書遺言」は、遺言者本人が作成するので費用を抑えることができます。
以前は紛失や偽造のおそれなど保管が難しいデメリットが存在しましたが、現在は法務局での保管制度が始まりましたので、安心して作成することができます。
保管の費用もすごく安いです。

この保管制度を利用すると、家庭裁判所の検認が不要であることも大きなメリットです。
遺言書を発見した人や保管していた人は、遺言者がお亡くなりなると遅滞なく家庭裁判所に検認を依頼する必要があります。
ちなみにこれはあくまでの「遺言書」の存在の確認の作業ですので有効、無効の決定ではありません。

内容に不備があるか等のチェックはありませんので、作成時には専門家に作成やチェックを依頼することをお勧めします。

(具体的な書き方)

①自書すること

本文は実筆で書く必要がありますが、財産目録はワープロでも可です。
録音テープやビデオ、口頭で言ったことは遺言としての効力はありません。

②遺産の記載

どの遺産の件かはっきり分かる様に書きます。(不動産なら登記簿記載の地番や家屋番号、銀行預金の支店、口座番号等)
作成する前に財産の評価をしておいた方がいいです。

③日付

西暦でも和暦でもどちらでも構いません。書いた日にちが特定されれば大丈夫です。

④署名、印

必ず自筆です。印は認印や拇印でもいいですが実印を使う方が重みがありお勧めです。

⑤用紙

特に規定はありません。縦書きでも横書きでも構いません。

⑥遺言執行者

遺言の内容を確実に実行したい場合は、遺言執行者を指定することができます。
遺言執行者の指定がない場合は、家庭裁判所が選任します。

遺言書の作成で大切なことは、自分の遺産が法定相続だとどうなるかをきちんと知り、それを自分の思いに置き換えた時、どう変更していくかということです。
大切な人のために、自分のケースの場合どう作成すればいいかしっかり考え実行に起こすことです。

だからこそ、遺言を作成することとは非常に意味があることであり、もっと多くの方がそれを活用して欲しいと私は考えてます。

ただ気を付けることとして、相続人には遺留分がございます。
これは遺言作成するうえで、自筆証書遺言、公正証書遺言どちらにも当てはまる注意点です。

遺留分とは相続人に認められる最低限の遺産取得分です。それを侵害された場合は相続人に請求する権利があります。
そうなると色々複雑にもめることが目に浮かびますので、それを踏まえた上で慎重に内容を吟味する必要があります。

残された家族が揉めたりするのは悲しいことでです。バランスをとるという考え方も必要ではないでしょうか。

次回は②の「公正証書遺言」について書きますのでよろしくお願いします。