「外国人雇用 建設業③」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

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今回は前回の続きで「外国人雇用 建設業③」についてブログを書きます。

ここまでは、「建設業」で外国人が働くための在留資格「技能実習」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」、「身分に基づく在留資格」を書きました。

今回は残りの「外国人建設就労者」「特定技能」を書きます。

(外国人建設就労者とは)

「外国人建設就労者」とは特定活動第32号にある法務大臣が告示したものです。

「特定活動」とは、外国人は日本に来る前に日本で行う活動を国に提出し、在留資格が付与されますが、活動は多種多様ですので全ての活動を在留資格に当てはめることはできません。

特定活動は「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」とされており、在留資格に該当しない活動の受け皿となっている在留資格です。

その活動の種類は49種類とあり、それぞれ異なる要件です。
法務大臣が告示しているもので、告示特定活動といいます。

「外国人建設就労者」とは特定活動の第32号にあるものです。

背景としてはオリンピック・パラリンピック東京大会の関連設備による一時的な建設需要の増大に対応するために、外国人労働者の受け入れを平成27年から始めたものです。

現在「特定活動」で就労している外国人の方々は沢山います。

※現在は新規申請受付が終了してます。今まで「技能実習」の修了者は「特定活動」への移行といつ選択肢もありましたが、今は「特定技能」へ一本化されています。

〇受入建設業者について

外国人建設就労者はどこでも好きに受け入れができる訳ではありません。

建設業許可は当然に受けている必要があり、過去5年間に2年以上建築分野の「技能実習」を実施した実績が必要です。

〇外国人建設就労者について

条件としては、過去に建設分野の技能実習を2年従事した経験が必要で、技能実習2号の活動である必要があります。

〇特定活動の期限について

外国人建設就労者の受け入れは2020年7月で就労してます。現在の外国人の就労期間は最長での2023年の3月までです。

これはこの特定活動はオリンピック関連のいわゆる一時的な時限的な措置だったからです。

ですので、間もなく終了する資格ですので、まだ日本に残って働きたい方は「特定技能」に移行するという方法があります。

(特定技能について)

これまでは「技能実習」の制度が人手不足を補う形で機能していましたが、やはりこの制度は国際貢献が目的で、単に労働力の確保に使えない制度でしたが、「特定技能」に関しては即戦力の人材を確保するという目的で使えます。

「介護」でも「特定技能」の資格で従事するという共通点がありましたが、大きな違いとしては、「介護」は「特定技能1号」ですが、「建設業」は「特定技能2号」まであるということです。

〇特定技能1号の条件 

※前提として「技能」と「日本語能力」の2つのジャンルをクリアする必要があります。

A 建設分野の技能実習第2号を修了する

B 特定活動の外国人建設就労者で活動している

C 特定技能評価試験に合格する

Aについて

第2号技能実習を修了していると、特定技能の在留資格を取得することが出来ます。
すでに介護業務のある程度の知識や技能があると認められるので、介護技能評価試験と介護日本語評価試験が免除されます。

※切り替えの条件は下記です。

・技能実習2号までを良好に修了する

・技能実習の職種と特定技能1号の職種が同じ

Bについて

特定活動の外国人建設就労者で活動しているということは、すでに「技能実習第2号を修了する」と同じことなので基本的に上と同じです。

Cについて

「技能」と「日本語能力」の2つのジャンルをクリアする必要があります。

技能については、「建設分野特定技能1号評価試験」又は「技能検定3級」に合格する必要があります。

図面を読み取り適切、安全に作業が行うための技能があるかの確認です。

「日本語能力」に関しては、日常会話がある程度でき生活に支障がないことです。

介護の場合は日本語能力判定テストのみでなく、「介護日本語評価試験」の合格が必要でしたが、建設業がこれがありません。

これは介護と建設業では、仕事内容の性質が異なるので、コミュニケーションの求められるレベルが違うからです。

〇特定技能2号とは

特定技能の1号と2号の違いとしては、「家族滞在」が認められることや、一番大きいのが「在留期間の制限がない」ことです。

特定技能の1号と2号のイメージはこうです。

特定技能1号は「特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする在留資格」

特定技能2号は「特定産業分野に属する熟練した技能を要する在留資格」

特定技能2号が最上級で、14種類ある特定産業分野の中で、特定技能2号があるのは「建設業」「造船・舶用工業」だけです。

それだけ特別な資格なので、最終的には特定技能2号を目指す方も多いと思います。

〇特定技能2号の条件 

A 建設分野の特定技能1号を修了する

B 特定技能2号評価試験に合格する

Aについて

2号は1号を修了する経由のみの申請になります。

Bについて

2号は現場の単純な作業員ではなく、作業員を指導する班長の役割です。

「建設分野特定技能2号評価試験」、「技能検定1級」に合格する必要があります。

(まとめ)

今回まで建設業で外国人雇用について書きました。

建設業は非常に重要な業種ですが、人手不足であり数年後にはもっと労働人口が減ります。

特定技能1号の創設で現場の作業員を確保できるようになりましたし、特定技能2号が最近できましたので、いわゆる中間管理職も海外の方に任せることができます。

特に2号は「建設業」と「造船・舶用工業」しか現在は存在しなく、それは特にこの2分野には国が力を入れて対策をしているということではないでしょうか。

今はコロナの影響で新たな海外からの受け入れが難しく、実際特定技能の動きは鈍化してますが、この状況が薄まった時に活用できると思います。

よければ、ご参考程度に。

次回は「外国人雇用 その他」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。