「慰謝料 Q&A」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

今は「離婚」に関連するブログを書いています。
今回が最終回です。
長くなって申し訳ございません。

前回から離婚に関するQ&Aを書いています。
離婚を検討される皆様の事情は複雑で、自分の場合はどうなるんだろうという方が多いと思うので、書いていきます。

まず前回までで、「養育費」「親権」「財産分与」について書きました。
今回は最期に「慰謝料」について書きますので、宜しくお願い致します。

(慰謝料のQ&A)


Q 夫の浮気が原因で離婚をしたいです。子供は私が引取たいのですが、慰謝料はどこまで請求できますか?

A ご主人様の経済力と責任の程度で考慮して決定します。

○解説
離婚の際の慰謝料は法的に定めはありません。
目安としては、結婚していた年数を基準に、相手の責任の程度、経済力を総合的に判断して決定します。
多くは争いになることがあるので、その場合は弁護士の先生に相談することをお勧めします。
慰謝料と別に子の養育費の支払い義務が発生するので、それに関しては裁判所が公開している算定表を目安にするといいです。


Q 性格の不一致で離婚することになりました。慰謝料は請求できますか?

A 性格の不一致での離婚の場合は慰謝料の請求は原則できません。

○解説
慰謝料の定義は、相手から受けた精神的苦痛に対してのものです。
例えば、浮気や不倫、暴行や虐待などです。
ですので、性格の不一致の理由では慰謝料の発生はありません。

財産分与の機能で、今後の生活が少しだけ守られますので、それとは異質の慰謝料の請求は出来ないことになります。
ちなみに、慰謝料の根拠になる法律は民法709条の不法行為による損害賠償請求となります。


Q 離婚の原因を作った相手にも慰謝料を請求したいのですが、可能ですか?

A 浮気相手が不法行為の認識があれば可能です。

○解説
浮気が民法709条の不法行為になる理由としては、民法で夫婦は同居し、協力、扶助する義務があります。
この中には貞操義務も含まれていますので、これに反すると「不貞行為」になります。
ですので、芸能人などが浮気すると、あんなに叩かれるのです。
不法行為になる要件は下記です。

・相手に配偶者がいることを知っていた。(故意)
・知ることができたにも関わらず不倫した。(過失)

つまり故意過失が要件です。
夫が独身と嘘をついていた場合や、同じ職場で薬指の結婚指輪を目撃することが容易だった等の環境ではなかった場合は、故意過失ではないです。


Q 夫と離婚します。子供は私が引取り姓も変えますが、子供からも慰謝料を請求することはできますか?

A 原則、子供から慰謝料請求はできません。

○解説
慰謝料の請求は配偶者の権利となります。
子に何故、その権利がないかというと、「子は戸籍上父と縁が絶たれる訳ではない」からです。
父は子の養育費の支払いが今後も続き、妻とは離婚しても子に対する愛情は消えないことも、よくあります。
ここは、理論としては理解してますが、私個人的には、現在の社会は複雑で家族関係も多様化しているので、子に慰謝料の請求は原則できないのは、どうかという気持ちもあります。微妙です。

父の養育費の支払い等の義務が不履行だった場合は、請求が認められることはあります。


Q 夫と離婚します。原因は姑の嫌がらせです。姑に慰謝料の請求は出来ますか?

A 姑への請求は難しいです。

○解説
これはよく聞く内容です。気持ちは凄く分かります。
ですが、結論としては、少し難しいです。

不法行為とは少し違うからです。
姑が限度を超えた干渉をしてきて、夫婦関係を破壊させる方向に進めたなどであれば、話が少し変わります。
ですが、これも例外的なものです。

おさらいですが、慰謝料とは「不法行為に対する損害賠償」です。
不法行為の定義はこうです。

民法 第709条

(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

原因は姑の嫌がらせの程度が問題ですが、基本的には少し厳しくなります。

(まとめ)

今回は慰謝料について書きました。
考え方は民法第709条の不法行為による損害賠償です。

慰謝料が発生する場合、確実に争いになる場合は、早めに弁護士の先生に相談した方がいいです。
私も協議が難しい相談の場合は、弁護士の先生を紹介するようにしています。

離婚のブログはこれで最終回となりました。
質問が多いので参考になればと書きました。

前も書きましたが、離婚をするご夫婦は今は凄く多く、昔と違って周囲の理解もあります。
新たな人生の選択肢です。

ですが、子供がいたりとか、簡単に離婚できる訳ではないので、慎重な判断が必要です。

私も相談を受ける時、「では、離婚の方向で協議書を作成しましょう」とか、絶対に言いません。
出来たら、離婚しないでもすむ提案をします。

現実それで、離婚危機から元に戻った夫婦も沢山いました。

まあ、価値観なので押しつけはできませんが、悩んでしまうと冷静な判断が出来なかったり、視野が狭くなってしまうので、このブログも、書き足りない部分も多々ありますが、参考にしてもらえばと思います。

次回の内容ですが、書きたいことが多く決めれてないのですが、宜しくお願い致します。