「ペット 譲渡契約書」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

今回のブログは、「ペット」について書いていきます。

以前、ペット相続とペット信託について書きました。

その内容は、自分にもしもの事があった時のための対処法です。

ですが、それ以外でもペットにまつわるトラブルは発生します。

そのトラブルは回避したり、解決するための方法を書いていきますので、宜しくお願い致します。

今回のテーマは4つです。

また、長くなるので小分けにして書きます。

①ペットに関する契約書

②ペットに関する内容証明

③ペットに関する飼育許可

④ペットに関する事業者の登録申請

今回は「①ペットに関する契約書」について書きます。

(私のペット)

すみません。法律関係のブログのはずですが、まず私のペットの犬の事を書いてもいいでしょうか?

とても可愛いのでちょっと紹介したくなりました。すみません。

写真も載せます。

左が「もも」で右の小さいのが「りんご」です。

「もも」はヨークシャーテリアとダックスのミックスで13歳のメスです。

「りんご」は生粋のヨークシャーテリアで12歳のメスです。

もともとは私の妻が飼っていて、私がこの子達と生活を始めたのは7年程前です。

子供の頃からワンちゃんは好きでしたが、やはり毎日一緒に生活すると可愛くてしょうがないです。

これはペットを飼っている方であれば、分かってくれると思います。

以前妻に話を聞いたことがあります。

「ペットサロンで散髪してもらった後に、ももちゃんが足を引きずっていたの。散髪の前は引きずってなかった。ペットサロンに電話して事実確認をしたけど、何もしてないの一点張りで何度か電話してたら、営業妨害だ!と顧問弁護士から連絡がきて、泣き寝入りしてしまったんよ。」

これは私が妻と出会う前の話で、本当は法律で解決できる手段もあったのですが、既に時効になっていました。

幸いに足の引きずりは治って、今は散歩の時は元気よく走っています。

以前ペット相続の時にも書きましたが、ペットは家族です。

ですが、ペットは法律上は「物」扱いになり、人と違って法の保護が薄い事実はあります。

そんな状況下ですが、ペットを守る方法はいくらでもあります。

それを今から書いていこうと思います。

まずは、「ペットに関する契約書」です。

(ペットに関する契約書について)

ペットに関する契約書は代表的なものは下記です。

①譲渡契約書

②離婚協議書

③交配契約書

④ペット信託契約書

今回は詳しく書いていきたいので、今日は①だけ書きます。

①譲渡契約書について

ペットを飼いたい方はペットショップでお気に入りのワンちゃんや猫ちゃんを選ぶ方もいますし、里親の募集サイトとかで探す方もいます。

ワンちゃんや猫ちゃんを保護して、飼い主を募集している方もいます。
私のよく行ってたバーの方もよく猫を保護していました。

あと、やむを得ない事情で飼っていたペットを手放さないといけなる事もあります。
今まで可愛がっていたペットと離れるのは辛いことですし、きちんと世話してもらえるかも心配だと思います。

その場合、譲渡契約書を作成するとトラブルを回避できます。

法律で契約書の中に決まり事を作ることで、色んな義務や責任が発生します。

ペットは残念ながら法律上「物」になってしまうので、盛り込む法律の要素は「物権」になります。

民法 第176条では、物権の移転は意思表示だけで効力が生じるとなってますが、念のため契約書を作成した方がいいと思います。

○譲渡契約書に盛り込む内容

※下記内容は一般的なもので、追加で盛り込むことも当然できます。

1 ペットの詳細

2 所有権

3 契約期間

4 譲渡の条件

5 費用負担

6 誠実協議

7 合意管轄

8 譲渡人と譲受人の詳細

9 契約日時

1 ペットの詳細について

ペットの詳細を特定します。
名前や年齢、性別、犬種・猫種等です。

物権となるペット=「物」を特定することで所有権も移転を明確にできます。

2 所有権について

所有権、つまり飼い主にいつからなって、どんなことがあったら飼い主でなくなるかを決めます。

よくあるのが、きちんと世話できるかトライアル期間を定め、その期間中問題がなければ、令和○年〇月〇日から飼い主としてよろしくお願いします、などです。
飼育を怠ったり、何かしらの違反があった場合は所有権は戻りますという内容も盛り込みます。

3 契約期間について

一般的にはペットが死んでしまったタイミングになります。
新しい飼い主が死亡した場合の対応も記載することが出来ます。

4 譲渡の条件について

下記の内容が多いです。

・無償か有償か

・飼育方法

・けがや病気の時の取り決め

・衛生面の管理

・飼育の条件の遵守

・やむを得ない事情の時の報告義務

これ以外に双方の話し合いで内容を色々追加することも出来ます。

5 費用負担について

食費、治療費、交通費などの負担の取り決めです。
ほとんどの場合は新しい飼い主の負担になることが多いです。
ですが、高齢のため施設に入るなどで、お願いするパターンとかは旧飼い主の負担になる場合もあります。

6 誠実協議について

なにかあった時は、お互い誠実に話し合いをして解決しましょうという内容です。契約書にはこの内容を盛り込むことがスタンダードです。

7 合意管轄について

紛争になった場合の裁判所の管轄です。原告と被告の住所が近く同じ管轄ならいいですが、遠方の場合は必ず盛り込む必要があります。

8 譲渡人と譲受人の詳細について

旧飼い主と新飼い主の氏名、住所、印鑑です。

契約書は2枚以上になることが多いので、複数枚の時は割印も必要になります。

9 契約日時について

契約した日時を書きます。トライアル期間を設けた場合は、契約の効力が発生するのはトライアル期間経過後となります。

(まとめ)

今回からペットを守るために必要な法律知識について書いていきます。

内容は細かく書きますので、長丁場になりますので、ご了承ください。

知っているだけで泣き寝入りを回避できますし、何かあっても知識があれば安心して対処できます。

私も法律に携わる人間ですが、それ以前にペットの飼い主なので皆様にお役に立つ情報を発信できればと思いますので、宜しくお願い致します。

次回はこの流れで「ペット その他契約書」について書いていきますので、よろしく宜しくお願い致します。