こんにちは。
福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。
今はドローンに関わってくる法律について書いています。
おさらいですが、内容は下記です。
①航空法
②小型無人機等飛行禁止法
③電波法
細かく書くともっと色んな法律や条例が絡むこともありますが、今回は代表的なものを書きます。
前回で①航空法は書き終わったので、今回は②小型無人機等飛行禁止法と
③電波法の残り全部を書きます。
(小型無人機等飛行禁止法について)
「小型無人機等飛行禁止法」とは、「重要施設及びその周辺おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止」するための法律です。
国の重要な施設の上空での飛行に制限をかけているものです。
これは、ドローンなどの「無人航空機」だけでなく、気球などの「特定航空用機器」についても同様です。
違反した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
重要施設の周辺の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律 第13条
この法律の目的は第1条で定められています。
重要施設の周辺の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律 第1条
「この法律は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等、防衛関係施設、空港及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止することにより、これらの重要施設に対する危険を未然に防止し、もって国政の中枢機能等、良好な国際関係、我が国を防衛するための基盤並びに国民生活及び経済活動の基盤の維持並びに公共の安全の確保に資することを目的とする。」
もともと、ドローンは「軍事用ドローン」も存在します。
国の重要な施設の周辺は飛ばせないのは、当たり前のことです。
この法律ができる前に国会議事堂の近くでドローンを飛ばした未成年者がいたニュースがあったのを覚えてます。
対象となる施設は下記です。
①国の重要な施設
②外国公館等
③防衛関係施設
④空港
⑤原子力事業所
①国の重要な施設はこうなってます。
・国会議事堂
・内閣総理大臣官邸
・危機管理行政機関
・最高裁判所庁舎
・皇居・御所
・政党事務所
①から⑥の施設は原則禁止ですが、同意を得た場合は飛行が可能なので、あらかじめ、都道府県公安委員会や管区海上保安本部長等に通報しないといけません。
下記の場合は、小型無人機等飛行禁止法は適用されません。
・対象施設の管理者又はその同意を得た者による飛行
・土地の所有者が当核土地の上空において行う飛行
・土地の所有者の同意を得た者が、同意を得た土地の上空において行う飛行
・国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
※防衛関係施設、対象空港の敷地、区域の上空の場合は、対象施設の管理者の同意も必要です。
上の①から⑥が「レッドゾーン」と呼ばれ、周囲おおむね300m周辺の上空は「イエローゾーン」と呼ばれます。
サッカーで言えばレッドカードもイエローカードも、避けたいとこですので、必ず飛行可能エリアか事前確認をしましょう。
警察庁のHPで簡単に確認できます。
(電波法について)
「電波法」とは、電波を使う際の基本的なルールを定めた法律です。
日常生活において、スマートフォンやWi-Fiは必要不可欠のものとなりました。
これらは電波を利用しているサービスで、光回線などの固定回線とは違い、目で見えない電波が私たちの頭上を飛び交っています。
その電話を適切に提供、利用できるための法律が「電波法」です。
電波法の目的は第1条に定められています。
電波法 第1条
「この法律は、電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」
まあ、確かに公共の福祉は増進されていると思います。
そしてドローンもこの電波法に関わってきます。
何故なら、ドローンは無線を利用して操縦されるので、電波を使うことになるからです。
ドローンの飛行で確認しないといけないのは下記です。
①周波数帯
②技適マーク
①周波数帯について
「周波数」とは電磁波が1秒間に繰り返す波の数のことです。
この波の数が多いと、hz帯が高くなります。
ドローンに使われる電波帯はこの3つが多いです。
・2.4Ghz帯
・5.7Ghz帯
・5.8Ghz帯
2.4Ghz帯の場合は、後ほど書く「技適マーク」があれば、免許は不要です。
ちなみに2.4Ghz帯は電子レンジくらいの電波です。
プライベート用のドローンだと、この周波数が多いです。
それ以外の場合は、無線局の免許を受ける必要があります。
※無線局とは、無線設備と無線従事者のことです。
5.7Ghz帯以上の場合は、主に業務に使われるドローンとなります。
○免許について
ドローンを利用する場合は、操縦や、画像の伝送のために電波を発射する無線設備が利用されます。
電波を発する無線設備ということになります。
その際、電波法に基づき、高い周波数の場合は、無線局の免許を受ける必要があります。
これも車の新規登録に似たものです。
流れは下記です。
・申請
・審査
・予備免許
・検査
・免許
・運用
以上で車で言えば、新規登録が出来た状態になります。
そして車で言えば、操縦者は運転免許みたいなものが必要です。
それが「無線従事者免許」です。
この場合は、どんなドローンを利用するかで変わります。
例えば、ドローンレースでは「FPVゴーグル」と呼ばれるゴーグルが使用され、5.8Ghz帯の電波です。
この時は、「第4級以上のアマチュア無線従事者免許」+「無線局の開局」が必要です。
業務用のドローンを利用する場合は、5.7Ghz帯の電波です。
この時は、「第3級以上の陸上特殊無線技士免許」+「無線局の開設」となります。
②技適マークについて
「技適マーク」とは、あらかじめ適合証明を受けた証がドローンの機体や送信機に記載されるマークです。
「技術適合マーク」のことです。
電波法で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するものです。
ちなみにこれは、スマートフォンやタブレットにも付いています。
あと市販のドローンには現在は大体付いています。
この技適マークが付いていれば、無線免許は不要です。
「技適マークの表示を行う者」に関しては条文があります。
「登録証明機関は、その登録に係る技術基準適合証明をしたときは、総務省令で定めるところにより、その特定無線設備に技術基準適合証明をした旨の表示を付さなけばならない」
電波法 第37条1
海外製の商品や改造品には付いていないことが多いので注意が必要です。
(まとめ)
今回までで、ドローンのに関わってくる法律を書きました。
本当は、民法とか条例とか色んなものが関わるケースもあるのですが、書きだすと長くなるので、また別の機会に書きます。
空を飛行するということは、空の色んな法律が絡むということです。
今まで書いた法令を踏まえて、次回は最後に申請について書きますので、宜しくお願い致します。
私たちの上空には、実は色んな法律があり、電波など見えないものが行きかっています。
そして、それらは私たちの生活にダイレクトに関わるものが多いのです。
その恩恵を受けて生活をし、これからはその恩恵の1つにドローンが身近な存在となります。
ドローンが公共の福祉を増進させます。
次回は「ドローン ⑧」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。