「LGBT ⑥」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

最近忙しくて少し寝不足ですが、今日も元気いっぱいブログを書きますのでよろしくお願いします

ここまでLGBTの方々が家族に近い状態で生活が出来る対策を書いています。

もうちょっと続くのでお付き合いお願いします。

おさらいは下記です。

①準婚姻契約

②任意後見契約

③死後事務委任契約

④養子縁組

⑤公正証書遺言

前回は②の任意後見契約を書いたので、今回は③の「死後事務委任契約」について書きますので、宜しくお願い致します。

(死後事務委任契約について)

誰しも最終的には「死」が訪れます。

自分が亡くなった時、葬儀に関する事や、病院の入院費、家賃などの生活に関わることを、誰かに託すことになります。

「死後事務委任契約」とは、生前のうちに死後の身辺整理の事務を誰かに委任する契約となります。

契約の効力が発生するのは、パートナーの死亡のタイミングです。

もし、「LGBT」というだけの理由で、家族から偏見を持たれ疎遠になっていた場合、やはり頼れるのはパートナーです。

あと、パートナーこそが、自分の希望の形を一番理解してくれています。

①の「準婚姻契約」は、婚姻の状態に近い契約で形を作ること、
②の「任意後見契約」では、老後のお互いを支えあうための法的効力のある契約を行い、
③の「死後事務委任契約」で、パートナーの方のどちらかが、お亡くなりになった時に残されたパートナーが、亡くなった方の意向を組み手続きをしていくことになります。

死後事務委任契約の委任内容は様々あり、下記は一例です。

・関係者への死亡の連絡

・死亡届の提出

・火葬許可証の申請

・葬儀の手続き

・埋葬の手続き

・社会保険や年金等の資格喪失の手続き

・金融機関への届出

・病院の清算

・運転免許証の返納

・車両の移転、廃車手続き

・賃貸住宅の解約

・パソコンに保存しているデーター

・ペットに関する事
※これは以前「ペット相続」のブログを書いたのでこちらをご参考にして下さい。

などなど様々です。

パートナーが亡くなった時、生前に希望されていた葬儀や埋葬方法、お墓など、希望のエンディングを叶えてあげる必要があります。

(手続きの流れ)

①委任内容を決定する

委任事務の具体的な内容を2人で決めます。

葬儀や埋葬、お墓などの事務で発生するお金や受任したパートナーの報酬は、事前に受任者に事前の「預託金」とすることが多いです。

相続に関する手続きは受任者が行うことも出来ますが、この事務に対しての報酬は受け取れないので、一般的には専門家に依頼することが多いです。
例えば、不動産の登記などです。

内容をまとめていって、たたき台で結構なので委任内容を決定します。

②公正証書を作成する

死後事務委任契約も「公正証書」で作成することをお勧めします。

公正証書で作成された契約書は公信力があり、死後の事務作業を行う上で信憑性があります。

公正証書を作成するために、具体的な事項を決定し、必要な書類を準備します。

具体的な事項としては、葬儀の会場、埋葬を希望する墓地、解約が必要な契約、金融機関や各種保険の特定などです。
より具体的に書面に起こします。

公正証書作成に必要な書類は下記です。

・印鑑証明書(発行から3か月以内)

・実印

・運転免許証や住民票などの身分証明書

・公正証書作成費用
※作成手数料 11,000円+正本謄本代 3,000円

まずは、最寄りの公証役場に事前に電話で予約を入れます。

1回目は受付で、委任者と受任者のが必要書類を持参します。

2回目は死後事務委任契約公正証書の作成で、委任者と受任者が実印を準備し、同席のもと内容に問題がなければ署名押印をします。

(まとめ)

今回は死後事務委任契約の内容を書きました。

自分の望むエンディングを一番信頼できるパートナーに託すことができます。

基本的に死後事務委任契約はデメリットもあり、本当に信頼できる人でないとお金の使い込みがあったり、本来自分が望んでない手続きになってしまっていたり等のリスクが存在します。

専門家に受任者として依頼することも出来ますが、今回のブログの趣旨はLGBTの方々が家族に近い形を作り、最後まで寄り添っていくための方法です。

パートナーが生前望んでいた人生のエンディングを叶えてあげたいと一番強く思うのは、きっと相方のパートナーのはずだからです。

そういう意味では、LGBTの方々の場合、この死後事務委任契約は利用価値があります。

ただ、この契約はあくまでも報酬を受取り、死後の事務を受任して行う他人という扱いの話になり、パートナーの財産を法定相続することは出来ません。

ですので、契約書を公証役場で作成する際に、公正証書遺言書もついでに作成する方もいます。

この内容は後で詳しく書きますが、そうすればパートナーに自分の財産の一部を残す事が出来ます。
※この「一部」という単語が重要です。

ですので、次回からはパートナーに財産を残すための方法を書いています。

具体的には「養子縁組」について書きます。

次回は「LGBT ⑦」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。