「LGBT ②」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

前回は「性同一性障害」と「LGBT」の定義について書きました。

このブログを書こうと思ったのが、実はLGBTの方の人口は多いのですが、結婚が出来なかったり、相続することが出来なかったり等の法律上の保護が弱いからです。

純粋な気持ちで愛し合っている2人ですが、その関係をなかなか公的に認められにくいです。

ですが、様々な方法でそこをクリアできる方法が存在するので、1人でも多くの方に知ってもらいたいなと思い書きました。

今回からは法律の話を交えながら書きますので、宜しくお願い致します。

ではまず、「性同一性障害」について書きます。

(性同一性障害に関する法律や手続き)

例えばですが、「性同一性障害」の方がいて、身体は女性ですが、心は男性の方がいたとします。

その方は心は男性なので、当然女性の方を好きになり結婚したいと考えます。

ですが、その方は女性として出生しているので、女性と結婚をすることが出来ません。

その場合は、「戸籍」を女性から男性に変更すれば結婚が可能ということになります。

○条件について

条件は「性同一性障害者の性別の取り扱いに関する法律」で定められていて、全てを満たす必要があります。

性同一性障害者の性別の取り扱いに関する法律 第3条

家庭裁判は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。

一 十八歳以上であること。 ※1

二 現に婚姻していないこと。 ※2

三 現に未成年の子がいないこと。※3

四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。※4

五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に疑似する外観を備えていること。※5

※1について

民法改正の関係で平成4年の3月末までは「二十歳」になります。

※2について

変更後は婚姻が出来るので、現に婚姻していないことが条件になっています。

2年くらい前に既に結婚している状態で性別の変更を認めて欲しいと申立があったニュースもたしかありました。

現時点ではこの条文の変更はないです。

※3について

もともとは「現に子がいないこと」でしたが、改正され「現に未成年の子がいないこと」になりました。

この要件がある理由としては、「性別の変更が、親子関係や家族秩序を混乱させ子供の福祉に影響を及ぼすことを懸念しているから」とのことです。

ですが、子の福祉で考えるとどうかなと思います。

例えば、身体は女で心は男の方が男性の服を着て、髪も短髪にしていたとします。

子供の授業参観とかで、バシッとスーツとか着てたら、傍から見たら美形のイケメンのパパに見えたりすることも十分にあります。

最近の若い世代のパパは女性みたいに顔立ちが綺麗な方は多いので。

ですが、実は戸籍は女という方が、なんか子の福祉に影響あるんじゃないかなとは、個人的に思います。
だから未成年の子がいても性別の変更が出来るようになってもいいのかなと思います。

※4について

ここが一番深いところかなと思います。

身体の一部を切り落とす行為ですので。

これに関しては最近裁判もありました。
結果は棄却されました。

判例としては、「性別の変更前の性別の生殖機能により子が生まれることがあれば、親子関係に関わる問題が生じ、社会に混乱が生じる。」などです。

ですが、この「性別適合手術」は身体に対するリスクもありますし、費用も高額です。

あと、やはり体の一部を切り落とすというのは、正直重いです。

性同一性障害と診断された方でも、手術をする方の割合は少ないのが現状です。

海外では、この手術がなくても性別の変更が出来る国もあるので、ここは見直しをした方がいいという声も多数あります。

当事者にとっては酷ですからね。

※5について

性別の変更をした場合は、公衆浴場などで混乱を招くのでこの項目があります。

上記5つは、どれも確かに根拠がありますが、日本国憲法の幸福追求権に反すると裁判になったり等、もう少し変更の余地があってもいいのかなと、個人的には思います。

○手続きと必要書類について

住所を管轄している家庭裁判所に申立をします。

弁護士の先生に相談してもいいですし、自分自身でも出来ます。

※次回書くLGBTは行政書士の業務ですが、裁判所がらみは業務外ですので個人的な知識で書きます。

必要書類は下記です。

・性別変更の申立書

・性同一性障害の診断書(二人以上の医師による診断書)

・手術証明書

・住民票

・戸籍謄本(出生から)

・収入印紙 800円

(まとめ)

今回は「性同一性障害」について書きました。

性別変更は条件を満たすことで可能ですが、やはり条件をクリアが少し難しいというか、重いです。

ここは今後どの様に変わっていくか、見守るしかないのが現状です。

手続きは複雑ではないと思うので、一番ポイントになるのが、「決意」です。

決意をすることで性別変更が可能になりますが、誰しも価値観というものを持っているので、一度自分自身と話合い慎重に決定した方がいいと思います。

次回は「LGBT ③」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。