ペット相続について

こんにちは。
福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!

もっとこんなことを知りたい!や具体的な事案などあれば、コメント・メールお待ちしております。

今回は「ペット相続」についてブログを書きます。
相続以外の要素も含まれる内容になります。

私もペットを飼っています。(犬2匹でヨークシャテリア)
毎日何年間も一緒に暮らしていると、本当に家族の一員と感じます。

ですので、もし自分が将来ペットより先に死んでしまったり、病気で世話が出来なくなったりするとその後のペットのことが気になるのは自然のことです。
相続の部分でいうと海外ではペットの犬に相続させた例がありますが、残念なことに日本ではペットは法律上「モノ」扱いになり相続人の対象になりません。
例えば以前、西鉄電車にどうしても犬を乗せて移動しないといけない事情があった時に、改札でお手回り品として料金を払いました。
飼い主からみると家族ですが法律上「モノ」扱いになるのは寂しいです。

その状況のもと、ペットの未来を守るためにどうすればいいのか。

今回は3つの方法をご紹介します。

①「負担付き遺贈」

②「負担付き死因贈与契約」

③「ペット信託」

①「負担付き遺贈」

遺産をもらう代わりにペットの面倒をみるように遺言で残すことです。何かを渡す条件で何かを何かをしてもらう内容を自筆証書遺言か
公正証書遺言に残すことです。
例えば家のローンを引き続き返済してもらう代わりに不動産を相続させるも同じく「負担付き遺贈」の1つです。

この場合記載する内容としては
・誰に何を遺贈させるか
・ペットをどのように飼育するか
この2つは必ず書いておく必要があります。

「遺言執行者」を指定すればきちんと飼育しているか監視してもらうことができ、万が一遺言通り守られてなければ改善請求ができます。

「負担付き遺贈」のデメリットとしては一方的なメッセージなので、受贈者(遺言で新しい飼い主に指定された人)が拒否できる点です。
生前に前もって意思確認をしておく必要があります。突然遺言書に書かれてあるとビックリしますからね。

②「負担付き死因贈与契約」

ペットの飼育を条件に新しい飼い主に財産を残す契約で、生前に契約しお亡くなりになった後発効するものです。

メリットとしては合意のもと契約するので意思確認が出来ていることと、合意が成立していた場合は破棄できない点です。
より確実さを求めるならこの方法がいいです。口約束でなく書類を作成する必要があります。
他の相続人とのトラブル回避のため公正証書にしておくのが安全です。

こちらも負担付き遺贈と同様、遺言執行者のように「死因贈与執行者」を指定しておくことをお勧めします。
きちんと契約が守られていない場合、執行者からペットの世話をすることを請求できますし、改善されない場合家庭裁判所に死因贈与の撤回を申し立てることも出来ます。

「負担付き遺贈」と「負担付き死因贈与契約」の注意点ですが、遺留分(相続人に認められる最低限の遺産取得分)を考慮して慎重に作成が必要ですので、何かあればご相談下さい。

③「ペット信託」


ペット信託は信託管理人が遺産を管理しペットのために利用してもらう方法で、飼い主にもしものことがあった場合に備えることが出来る信託です。

前もって財産の一部を信託契約を用いて信頼できる人に託し、生前病気等で世話が出来なくなった場合にその財産から飼育費を支払う契約となります。
契約内容としてはもとの飼い主(ペットの飼育をお願いする人)が「委託者兼受益者」、飼育する人「受託者」となりどのタイミングで信託が開始されるかもあらかじめ決めておく必要がございます。

弁護士や行政書士が信託管理人になり受託者の飼育状況を監視してもらえる点も安心できます。

信託は生前、死後に関わらず実行される点も安心ですね。

また、飼い主が亡くなり相続の問題が発生したとしてもペット信託を行っていると、財産は相続発生時には既に飼育する人「受託者」に移転しているので、ペットの飼育費は相続財産と別の扱いになりますので財産として残すことができるのも1つのメリットです。

かけがえのないペットの未来を守るために今すぐ出来ることは色々あります。「モノ」扱いになっている弱い存在を守りましょう!
是非ご参考にして下さい。

次回は「相続人の調査」についてブログを書きますのでよろしくお願いします。