「外国人雇用 介護業②」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

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今回は前回の続きで「外国人雇用 介護業②」についてブログを書きます。

前回のブログで「EPA介護福祉士候補者」について書きました。

外国人が「介護」の仕事をする場合は「EPA介護福祉士候補者」、「在留資格の介護」、「技能実習」、「特定技能」の4種類です。

今回は他の資格で働く介護の現場の外国人について書きます。

(技能実習について)

〇技能実習の目的

「外国人の日本で培われた技術や知識を開発発展途上地域に移転を図り、人づくりの側面で経済発展に寄与する」という目的です。

技能実習法の理念としては「技能実習は、労働力の需要の調整の手段として行われてはならない」となっています。 

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律 第3条

ですので、法律で外国人が変な職場でこき使われたりせず、日本人と同等の扱いを受け、技能を習得した外国人が母国に帰国し経済発展に寄与する結果も生まれますし、日本としてもやはり労働力の需要になっている現実も否めないと思います。

ですので、まさにwin-winです。

日本国内の企業や個人事業主と雇用関係を結び、技能実習計画を基に技能の習得をし、期間は最長5年になります。

〇実習生の受け入れ方法

受け入れ方法は2つあります。

A 企業単独型

B 団体監理型

Aについて

日本の企業が海外の現地法人や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施します。

Bについて

監理団体が技能実習生を受け入れて斡旋します。

実習生は入国後、日本語や技能実習生の法的保護の日本で生活する上で必要な知識の講習を受けて日本の企業と雇用関係を結びます。
Aの企業単独型よりは現実、監理団体の受け入れが多いです。

※「監理団体」とは技能実習生を受け入れて、企業に斡旋する団体で、非営利団体の法人です。

「商工会議所」「商工会」「中小企業団体」「職業訓練法人」「農業協同組合」などです。

※Aの企業単独型の場合は在留資格が「技能実習第1号イ」と「イ」が付きます。
Bの団体監理型の場合は在留資格が「技能実習第1号ロ」と「ロ」が付きます。

〇実習生の入国から帰国までの流れ

1 技能実習計画1号準備

2 技能実習計画認定申請、在留資格認定証明書交付申請、査証申請

3 1年目は実習しながら「基礎級受験」。実技試験や学科試験。

4 1年目終了時に在留資格変更

ここまでが「技能実習1号」です。

5 2年目も実習、2年目終了時に在留期間更新

6 2年目終了前に3級受験、在留資格変更

ここまでが「技能実習2号」です。

7 1ヶ月以上1年未満の一時帰国

8 また日本に戻ってきて、途中一度在留期間を更新し、5年目の時に2級受験

ここまでが「技能実習3号」です。

※技能実習をさせる側は「技能実習計画」を作成して認定を受ける必要があります。

第1号、第2号、第3号ごとにそれぞれ作成して認定が必要です。

5年目以降も日本で働きたいと希望する場合は「特定技能」に移行することで可能となります。詳細は次回に書きます。

(在留資格の介護について)

〇技能実習の目的

「在留資格の介護」は技術や専門分野への外国人労働者の受け入れを目的としています。

外国人留学生は、日本の介護福祉養成施設で勉強して、国家資格である「介護福祉士」の資格を取得すると「介護」という在留資格を取得できます。

「介護」の在留資格介護分野の資格の中で最上位の資格です。

他の資格にない特徴として、家族帯同も可能で、在留期間に制限もありません。

つまり「介護」の在留資格は、「EPA介護福祉士候補者」、「在留資格の介護」、「技能実習」、「特定技能」の4種類の資格の中で最強カードです。

「介護」の資格を持てるほど優秀な人材は日本も大歓迎です。

「EPA介護福祉士候補者」、「技能実習」、「特定技能」も「介護」の資格を取得することも夢ではないので、多くの外国人が努力をしています。

〇入国から就労までの流れ

ステップ① 

最終的に「介護」の資格を取得するためには、まず日本に「留学生」として入国します。

留学生の資格に求められている第一前提が日本語能力です。
「外国人留学生受入れに関するガイドライン」では下記の条件のいずれかを満たすように定められてます。

・日本語能力試験N2以上

・日本語教育機関で6ヶ月以上の教育を受けて、入学選抜のための日本語試験でN2相当と確認できた場合

・日本語留学試験の日本語科目で200点以上

・BJTビジネス日本語能力テストで400点以上

ステップ②

外国人留学生として介護福祉士の養成施設に入学する。

養成施設を修了すると国家資格の受験資格を得る事ができます。(2年以上)

※試験は毎年1月に筆記試験、3月に実技試験があります。

ステップ③

介護施設で採用決定。在留資格を「介護」に移行する在留資格変更許可申請をする。

「介護」に移行できる条件は下記です。

・介護福祉士の資格取得

・日本の介護施設と雇用契約を締結する

・業務内容は介護や介護指導

〇在留資格「介護」に移行するメリット

・外国人側のメリット

1 母国から家族を呼んで帯同することが出来ます。

2 在留期間に制限がないので何度でも更新できます。

3 勤務できるサービスに制限がないので、「訪問サービス」などにも従事できます。

※「EPA介護福祉士候補者」、「技能実習」、「特定技能」は勤務できるサービスに制限があります。

・雇用主側のメリット

1 長期的に雇用関係を維持できる。

※他の在留資格は在留期限がありますが、「介護」はないので将来的には新人教育が出来る様なベテラン人材を確保できます。

2 介護福祉士の仕事があるからこそ日本にいることが出来るので、仕事がまじめで頑張り屋さんが多いと思います。

(まとめ)

今回は「技能実習」と「在留資格の介護」を書きました。

「特定技能」はこの中間に位置するので、まずこの2つを先に書いた方がいいかなと思いこの順番です。

「技能実習」はまだ日本はビギナーな外国人で国と国との関わりが濃厚なので、様々な法律やガイドラインで定められています。

「在留資格の介護」も当然、報酬や権利などきちんと守られてはいますが、だいぶ日本にも慣れている時期なので、就職先の仲介が少なかったりとか自分自身でやっていかないといけないことが多いです。

ですが、「介護」の在留資格を取れ優秀な人材だから基本的に自身で色んなことが出来るとは思います。

実際「介護」の資格があると優遇の範囲が全く変わってきますので、日本を気に入ってくれた外国人がいたら、是非移行を検討して欲しいです。

それが私たちの社会にも大きく貢献されるからです。

次回は介護のラスト「特定技能」を書きます。

次回は「外国人雇用 介護③」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。