「行政書士試験合格術 その他」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!

もっとこんなことを知りたい!や具体的な事案などあれば、コメント・メールお待ちしております。

今回は前回の続きで「行政書士試験合格術 その他」についてブログを書きます。

「その他」は「商法、会社法」「一般知識」について書きます。

前のブログでも書きましたが、行政書士試験の合格者、不合格者は170~190点に固まっている傾向があるので、ギリギリ受からなかった、ギリギリ受かったの人が多いです。

ですので、合否にその「会社法」や「一般知識」の点を少しでも多く取るということが重要になります。

特に一般知識は14問中、正解が6問未満だった場合は、どんなに法令科目の点数がよくても「足切り」という不合格になります。

法令科目と並行してしっかり準備をする必要があります。

※これは私なりのやり方で、勉強方法は個人個人で違うので参考程度に読んで下さい。
あと、基本的に独学する方向けに書いてます。

(商法、会社法について)

「商法」ですが、個人的な意見としては無理に沢山時間を作らなくてもいいかなと思います。

条文は850条とボリュームがありますが出題は1問だけです。

行政書士の業務としては必要知識ですので、私は試験に合格した後に本腰をいれて勉強しました。

ですので、過去問を3週するくらいでいいのかなと思います。

「総則」「商人」「商行為」の3つが割と出ます。

「会社法」は大事です。

試験では4問出ます。

よく捨問にする人がいますが、16点を捨てるのは微妙なところです。

条文は979条とボリュームがあります。

最低限、抑えるポイントは下記です。

・機関設計

・取締役会

・設立

・株式

・株主総会

会社法の条文は初めての方ですと読みにくいので、まずテキストを読み込んで問題を解いて解説を読んで理解をした後に条文を読むのが一番すんなり行くかなと思います。

判例も覚えた方がいいですが、どちらかと言えば条文の問題の方が多いです。

あと過去問の焼き増しみたいなのもあるので、過去問は最低でも3週はした方がいいです。

あまり深追いせず、バランスよく学習し4問中、最低2点、よくを言えば3点、運が良ければ4点といったイメージです。

行政書士の業務では、定款作成などがあるので開業までにはしっかり覚える必要はあります。

(一般知識について)

前のブログでも書きましたが、私は「一般知識」には試験当日まで悩まされました。
※正確に言うと試験終了1分前までです。

これは人生の教養の積み重ねですので、大学受験や大学できちんと勉強した人、毎日、新聞をきちんと読んでいる人、銀行など社会情勢を仕事で常にアンテナを張っている人は、勉強しなくても平気だと思います。

昔の私は、そういう方々と180度違うタイプの人間で、まさにくるくるパーだったので苦労しました。
※今は昔の自分から強制的に180度転換させました。

ですので、ご興味ある方は続けて読んで下さい。

一般知識の内容は下記です。

①政治経済社会 7問 28点

②情報通信、
個人情報保護   4問 16点

③文章理解   3問 12点

一般知識は合計56点になります。

6問正解しないと足切りになるので、「文章理解」で3問、「情報通信、
個人情報保護」で2問「政治経済社会」で3問、合計8問だったら「文章理解」で1問ミスしてもどうにかなります。

一般知識の点数も法令科目と同じ1問4点ですので、できれば1問でも多く正解しておきたいところです。

①について

公務員試験の一般知識の参考書や問題集を買って勉強するのがお勧めです。

最近の時事ネタの本もあるので意外と活躍します。

通勤が電車やバスの方は出勤中にスマホ版の新聞の契約をして、情報をチェックするだけでもだいぶ違います。

ですが私の個人的な見解ですと、行政書士試験の「政治経済社会」は表面的な情報を問うだけでなく、そこから突っ込んだ内容を問われるので新聞も内容を熟読した方がいいかもしれません。

②について

「情報通信」はIT用語や内容を問われる問題です。
これは書籍よりネットで詳しく調べられるので、分かりやすいサイトがあったらブックマークして、隙間時間に何度もみるといいと思います。

「個人情報保護」は条文から出題されます。

テキストを読み込んで、条文を覚える感じです。条文は第88条までしかありません。
これは、やれば取れるので落とすのはもったいないです。

特に法改正の部分は完璧に押さえましょう。

③について

「文章理解」は重要です。

もともと政治経済社会の知識が豊富な方は、特に沢山勉強しなくても点が取れますが、そうでない方は、学習してもなかなか点に直結しません。

つまり努力でどうにかなりにくいものです。

ですが、「文章理解」は違います。
努力すれば点を取る事ができます。

ですので、ここは3問中全問正解を目指しましょう!

3問取れば残り11問中3問正解すれば「足切り」を回避できます。

学習方法としては、私は公務員試験の文章理解の問題集を5冊くらい買って問題を解き、解説を読んでました。

5冊で200問近くは準備できます。毎日3問解いてしっかり解答を読んで解き方のロジックを学びます。

YouTubeでも解き方のポイントが配信されてるので参考にしてました。

※このブログで文字だけで伝えるのが難しいので分かりにくかったら、すみません。
あと例文は簡易的なものになっています。

(文章理解の問題の種類)

A 内容合致問題

B 空欄問題

C 並び替え問題

Aについて

「内容合致問題」は、問題に文章があり、その内容に合致する解答を選ぶ問題です。

〇例文
※オリジナルで作っているので、ちょっと浅いですがお許し下さい。

「本文内容に合致する妥当なものはどれか。」

ネットの情報を全て信じてしまうのは現代の1つの問題点でもあります。
ネットが普及していなかった時代は書物で何かを調べたり、分野に精通している人に教えもらったりしてました。しかし現代はネットである程度のことが調べられるので、便利である反面、それに慣れてしまうことで、全ての答えをネットに求めてしまいます。それは必ずしも正解とは限りません。

1 ネットの情報を求める人口が増えているので通信はもっと発達すべきだ。
2 ネットの情報を全て正解と思うと間違った知識を付けてしまうことがある。
3 書籍や分野に精通している人に教えてもらうのが一番である。
4 ネットの情報はもっと正確であるべきだ。

〇ポイント

論旨をしっかり考えます。

まずは① ネットの情報を全て信じてしまうのは現代の1つの問題点でもあります」から始まり、
②「ネットが普及していなかった時代は書物で何かを調べたり、分野に精通している人に教えもらったりしてました」と昔はこうだったみたいな文章になり、
③「しかし現代はネットである程度のことが調べられるので、便利である反面、それに慣れてしまうことで、全ての答えをネットに求めてしまいます。それは必ずしも正解とは限りません」と実際はこうですという文章になっています。

つまり、この文章の核は①の「ネットの情報を全て信じてしまうのは現代の1つの問題点でもあります」になり、それ以外は補足説明みたいなものです。

そうなると、1は論外、3と4は論旨に合致はしてません。

合致というのは、本文の趣旨、一番伝えたいことにぴったり当てはまるということです。

正解は2です。

論旨は頭に来ることも多いので、キーワードになりそうな言葉や分は〇を付けたりするといいです。

Bについて

「空欄問題」は穴あきに言葉を埋める問題です。

〇例文
※オリジナルで作っているので、ちょっと浅いですがお許し下さい。

「本文中の空欄に入るもので妥当なものはどれか。」

ネットの情報を全て信じてしまうのは現代の1つの問題点でもあります。
ネットが普及していなかった時代は書物で何かを調べたり、分野に精通している人に教えもらったりしてました。しかし現代はネットである程度のことが調べられるので、便利である反面それに慣れてしまうことで、全ての答えをネットに求めてしまいます。(    )それは必ずしも正解とは限りません。

1 現在は、スマートフォンが普及しており、常にいつでも簡単に調べることができます。
2 Googleの検索サイトは豊富な情報量があり、必要な情報を検索しやすいです。
3 ネットで調べないと時間を無駄に使ってしまいます。
4 ネット通信の普及率の高さを物語る内容です。

〇ポイント

まず、3と4は論外です。

2ですが、悪くはないのですが、一番合っている内容ではないです。

1が正解です。

1を正解と考えるポイントは下記です。

この文章の構成はこうなってます。

①「ネットの情報を全て信じてしまうのは現代の1つの問題点でもあります。」から始まり、
②「ネットが普及していなかった時代は書物で何かを調べたり、分野に精通している人に教えもらったりしてました。」昔はこうだった、
③「しかし現代はネットである程度のことが調べられるので、便利である反面それに慣れてしまうことで、全ての答えをネットに求めてしまいます。」現代の状況、
④問われている(    )
⑤「それは必ずしも正解とは限りません。」の結論。

1と2を検討するうえで、③に着目します。

③は②書物や教えてもらうの内容から、「しかし」という接続語を使い、「今から本題に入ります」といった流れです。
③の中の「慣れてしまうことで」という分に着目します。

「慣れる」=「習慣」になります。
そうすると、1の選択肢の「常に」という言葉に馴染みます。

2も悪くないのですが、最も文章の性質に合うのは「1」になります。

Cについて

「並び替え問題は」選択肢を並び替えして、正しい文章を完成させる問題です。

〇例文
※オリジナルで作っているので、ちょっと浅いですがお許し下さい。

「次のア~エを並び替えて作る場合、その順序として妥当なものはどれか。」

ア 以前は、ネットが普及していなかった時代は書物で何かを調べたり、分野に精通している人に教えもらったりしてました。

イ ですが、検索結果が必ずしも正解とは限りません。

ウ ネットの情報を全て信じてしまうのは現代の1つの問題点でもあります。

エ しかし現代はネットである程度のことが検索できるので、便利である反面それに慣れてしまうことで、全ての答えをネットに求めてしまいます。

1 ア→エ→ウ→イ
2 ウ→ア→エ→イ
3 ウ→イ→エ→ア
4 ア→ウ→イ→エ

〇ポイント

まず、並び替え問題を解く場合、「接続語」に着目します。

「ですが」や「しかし」から文章は始まらないので、「ア」か「ウ」から始まることになります。

「イ」と「ウ」には同じ「検索」というワードが出てきます。
同じ単語が出てきた場合、連続している可能性があるので、注意します。

あと接続語の「ですが」と「しかし」を検証します。

どちらも、直前の文章と全く異なる内容になりますよ!という接続語です。

イは「検索結果が必ずしも正解とは限りません」ですので、検索について書いてある、
「エ」が直前になります。

この時点で正解は「2」です。

エは「現代はネットである程度のことが検索できるので、便利である反面それに慣れてしまうことで、全ての答えをネットに求めてしまいます」ですので、「現代」と比較した「以前」という言葉がある「ア」になります。「しかし」で「ア」と違う内容を書いてます。文脈的にも自然です。

ウ→ア→エ→イを順番に読んで違和感なければ、正解として確定させます。

(まとめ)

今回7回に渡って長々と行政書士試験に関するブログを書きました。

このブログ自体のコンセプトは「日々の生活に役立つ情報を行政書士の立場から発信する」なので、今回は番外編みたいなものでした。

私自身、試験を独学で勉強してしまったので、大変苦労しました。初めて法律の勉強をする方は、やはり予備校などをお勧めします。

別に予備校の回し者ということではなく、行政書士試験は大変な試験だと思います。

その理由としては、合格率は10~15%ですが、実際どのような人が合格しているかイメージすることです。

試験を受ける方は色んな種類の方がいます。

・法学部在籍中の人 司法試験の前に腕試しで受ける人も結構います。

・司法書士、中小企業診断士などの他仕業の先生方
(弁護士、公認会計士、税理士などの先生はその資格を持っているだけで行政書士になれます)

・銀行員など、ある程度教養の高い方

・その他

簡単に上の4種類くらいに分かれると思います。

法学部在籍中は、時間がある人も多く毎日を勉強に費やせますので合格率も高いと思います。

他の仕業の先生は、すでに難関試験を合格し、業務でも活躍されている方も多いです。知識の格が違います。
(司法書士は合格率3%と超難関です。)

銀行員など、ある程度教養の高い方はある程度の大学を卒業し、その後就職先で日々多くの勉強をされてます。

数字は公開されてませんが、合格者の多くにそのような方々がいます。

ですので、実際法律の知識0から始めて合格までに辿り着ける合格者の数は実は少ないかもしれません。

ですが、合格者がいるのも事実です。

試験を通して自分自身も大きく成長できます。

終わってはじめて、そのことに気付きます。

ちょっと最後にテンションを下げてしまう内容を書いて申し訳ないのですが、そんな大変な試験にまず挑もうと考え行動に移していることが、素晴らしいことです。

行政書士試験は大学受験みたいに競争率でなく、180点以上であれば何人でも合格です。

つまり、「戦い」でなく「闘い」です。

自分自身との「闘い」です。

それに打ち勝つことで、自身の事ももっと好きになれると思いますし、周りの人たちの大切さにも気づけます。

長くなりましたが、あとちょっとで試験勉強も終わるので、体調に気を付けて頑張って下さい。

心から応援してます。

次回は「農地転用 ①」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。