「行政書士試験合格術 行政法」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

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今回は前回の続きで「行政書士試験合格術 行政法」についてブログを書きます。

前回は「憲法」の学習ポイントについて書きましたが、今回はメインの「行政法」です!

行政書士試験のメインは絶対に行政法です。

点数の配分も凄く高いです。

〇5指択一式
・行政法 (19問 76点)
 

〇多肢選択式
・行政法 (2問 16点)

〇記述式
・行政法 (1問 20点)  

合計112点です。全体の300点満点中の37%を占めます。

法令は244点満点なので、45%を占めます。

試験の合格点が180点なので、行政法を満点とるつもりで学習すると合格に大きく近づきます。

具体的な学習方法のアドバイスを書きます。

※これは私なりのやり方で、勉強方法は個人個人で違うので参考程度に読んで下さい。
あと、基本的に独学する方向けに書いてます。

(行政法について)

行政法の出題内容は条文と判例が中心で、きちんと勉強すれば確実に点が取れる科目です。

例えば、民法はある程度学習しても実際難問が出題されると回答が難しいです。
憲法もたまにそういう問題が出てきます。

私の個人的な見解では、「行政法」が一番簡単です。
努力の分、点数に直結します。

逆に行政法の点数が取れない方は、やり方を間違っているか、他の科目に翻弄されているか、努力が足りない方になります。

行政法は必ず20点分の記述がありますので、暗記だけでなく理解を深めることも大切です。

行政法は6つの法規があります。

①行政法総論

②行政手続法

③行政不服審査法

④行政事件訴訟法

⑤国家賠償法

⑥地方自治法

①について

「行政法総論」は下記の構成です。

行政組織、行政立法、行政行為、行政契約、行政指導、行政計画、行政上の強制手段、行政調査の8つです。

「行政法総論」で覚えるより、一度分解して各項目学習していき、常に「今は行政法総論の〇〇をやっているんだ」と今いる自分の位置を確認しながら、学習した方がいいです。

例えば、予備校とかに行っていれば問題ないですが、独学でテキスト買って初めて学習する1週目は、意外と自分が今どこにいるか見失いがちです。

できれば、1週目から全体と構造を把握して学習するとスケジュールを立てやすいです。

②について

「行政手続法」は特に点が取れる部分です。

なぜなら、基本的に条文の知識を問う問題が多いからです。

条文も第46条しかないので、丸暗記出来ます。

実際私も丸暗記しましたし、試験当日の会場までの移動時間は「行政手続法の条文」の読み込みを最後にしました。

出来れば、全問正解したい項目です。

③について

「行政不服審査法」は条文と判例から出題されます。これも条文は第87条しかないので覚えてしまいましょう。

判例はテキストだけでなく、判例集を準備し読み込みが必要です。

もの凄く詳しい内容までは読み込みは不要ですが判決の結果だけでなく、なぜそのような判決になったか理解することが必須です。

意外と判例を読むと面白いです。そこには色々なドラマがあるからです。

「行政法総論」を理解することで「行政不服審査法」も理解しやすくなり、次に学習する「行政事件訴訟法」のスムーズに移行できるので、ちょうど行政法の学習の中間地点くらいです。

④について

出題数も多く(年で違います)、一番重要なところです。内容もボリュームがあります。
あと深さがあります。

「行政事件訴訟法」は条文は第46条までなので当然覚える必要があります。

ですが、この項目は「判例」が重要です。

まずは、テキストを読み込み条文と照らし合わせて、判例を読み込んでいくと行った作業です。

特に、「訴えの要件」は必ず覚える必要があります。
記述でもよく出てきます。

ここは行政法の中でも難易度が高い法規ですが、ここをきちんと理解することで民法も自然と学習しやすくなるので、法律の勉強は未経験の方は苦しいかもしれませんが、踏ん張り時です。

⑤について

「国家賠償法」は条文は第6条までしかないので、丸暗記です。

これも判例からの出題が多いので、有名な判例は必ず覚えてしまいましょう。

⑥について

「地方自治法」は「行政事件訴訟法」と同じくらい、もしくはちょっとだけ難易度が高いかもしれません。

出題数は3問くらいです。

条文からの出題が多いと思います。

条文は第299条までしかないのですが、1つ1つの条文が長く(項が多かったりします)、全部丸暗記はなかなか厳しいです。

時間があったら記憶する感じで、出題の可能性が高い「総則」「財務」「公の施設」あたりの条文は覚えてしまいましょう。

でも出来れば、3問中2問は正解しときたいので、「住民訴訟」あたりも学習することをお勧めします。

(多肢選択式について)

「憲法」と「行政法」は多肢選択式の問題がでます。

「多肢選択式」とは、問題分があって、その中に空欄の穴あき(ア)~(エ)に当てはまる語句を選択肢20から選ぶ問題です。

基本、知識で解くのですが、解きやすい方法があります。

選択肢20は全てバラバラの語句でなく、ジャンルに分けることが出来ます。

例えば、「~力」とか「差止、取消」とか「無効、撤回」とかです。

(ア)~(エ)ということは、4つのジャンルの語句を選ばせる問題であり、20の語句もだいたい4ジャンルくらいに種類分けできます。

それを〇とか□とか△とかでジャンル分けすると見やすくなり解きやすいです。

これは憲法の問題も同じです。

トレーニングで何度も繰り返ると自然に出来る様になります。

16点あるので、目標14点取れたら上出来です。

(記述式について)

行政法の記述は1問で20点です。相当大きいです。

完全正解でなくても部分点があります。

解答はだいたい、2つか3つの要素を書く必要があり、1つの要素が間違っていたり、抜けていた場合は、正解の要素に点をくれます。

ただ、この記述は採点者のさじ加減が存在します。

例えば、5指択一式の問題が難しい年で合格者数が少なくなると予想された場合、記述式の採点は甘くなり、逆に5指択一式の問題が簡単で合格者数が多くなると予想された場合は採点が辛口になる傾向があります。

ですので、何が起こるか分からないので全力投球が必要です。

学習方法としては、行政法の勉強が2週くらい終わって、知識が少し付き始めた時期くらいから私は始めました。

記述の予想問題集を3、4冊買います。
問題集は行政法が、30、40問くらいあり残りは民法です。

これで120~160問くらいの問題を準備できます。

そして解いていきます。

5指択一式は5つの中から選ぶのですが、記述は真っ白の中から自分の記憶を引っ張り出す作業なので、5指択一式より圧倒的に難しいです。

ですが、これが非常に重要です。

まさにアウトプットです。

始めはなかなか書けないと思います。必ず間違えます。

でも、10問、20問と解答していくうちに、書きだすことに抵抗感がなくなり覚悟を決めて、記述することができる様になります。

間違えれば解答をみて、「あー!しまった!」となります。
これで、記憶がより定着することになります。

出来れば、3週目くらいはこなすといいです。

2週目くらいになると書くことの抵抗感はなくなります。
1週目ですでに100問以上解いているからです。

3週目になると、答えを覚えている問題も沢山あると思います。

それをまた解いて正解すると、その知識は本物になり、仮に記述で出なくても5指択一式の問題を解く上で大切な知識になります。

できれば、8月までにはある程度仕上げて9月から始まる模擬試験で、練習試合をするとより本番に強くなります。

何事も、反復したトレーニングで慣れる事、頭と体に馴染ませることが大切です。

3週すると360~480問トレーニングしたということになります。

(まとめ)

・行政法は満点をとるつもりで一番力を入れる。

・6つの法規の各ポイントを押さえ、スケジュール管理をしながら学習を進める。

・条文は覚える。(行政手続法、不服審査法、行政事件訴訟法)
特に行政手続法は直前も見直しをお勧めします。

・多肢選択式はトレーニングで攻略する。1日1問でもいいので毎日する。5分くらいで終わります。

・記述は数をこなし、書くことに慣れる。体に馴染ませる。
記述を解くことで、知識も飛躍的にアップします。

次回は「行政書士試験合格術 民法」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。