「行政書士試験合格術③」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!

もっとこんなことを知りたい!や具体的な事案などあれば、コメント・メールお待ちしております。

今回は前回の続きで「行政書士試験合格術③」についてブログを書きます。
これは私なりのやり方で、勉強方法は個人個人で違うので参考程度に読んで下さい。

まずは、私の合格までの経緯を書き、次回のブログで試験全体の私なりの攻略法を書きます。

「中江公紀」の合格までの経緯について

ついに3度目の正直を願い試験本番を迎えました。

試験は午後1時から開始で午後4時に終わります。

3時間休憩なしで、集中し続けるので結構つかれます。

目覚めてから3~4時間後に頭が一番回る時間と考えてますので、前夜に準備は終わらせ当日9時くらいに起床しました。
(前日はたっぷり睡眠をとりました)

試験中は始めの一時間半とラスト10分は退室ができないので、水分は少し控えめにし簡単な食事を取りました。

試験の前も念のためトイレには行き、万全な状態で開始30分少し前に着席しました。

前回と同様に「しーん」としてます。

分かってはいましたが、もの凄く緊張します。

緊張することは、それだけのことをしてきた証だと信じ、その重い空気に耐えました。

行政書士試験の60問の順番はこうなります。

①基礎法学

②憲法

③行政法

④民法

⑤商法

⑥多肢選択式

⑦記述式

⑧一般知識

どの順番で解いていき、時間配分をどうするかが非常に重要です。

私の場合はこうしました。

①一般知識(文章理解) 20分

②一般知識(択一) 15分

③記述式 20分

④多肢選択式 15分

ここまでで70分です。

⑤行政法 30分

⑥民法 30分

⑦基礎法学 5分

⑧憲法 15分

⑨商法 15分

ここまでで170分なので、残り10分で見直し。

180分のシュミレーションは何十回もしてるので、普通の模擬試験では2時間半以内に終わったりします。

ですが、本番は絶対に緊張すると分かっていたので、このスケジュールを組みました。

この順番の意図はこうです。

3時間の試験は本当に疲れるので、脳が疲れ切っていない早い段階で確実に点を取らないといけないものから始めて、ラストあたりに回すのは最悪落としてもしょうがないかなと考えた科目でした。

まずは、①②の宿敵「一般知識」です。

一般知識の足切りを回避するためには、文章理解を3問中全問正解させる必要があるので、一発目に持ってきます。
多少時間をオーバーしても構いません。必ず正解させる必要があるのです。

文章理解が終わったら他の一般知識の択一に取り掛かり、1問でも多く正解させることが大事です。

次は③の300点中、たった3問で60点を占める「記述式」です。
行政法が1問、民法が2問出ます。

問題文をしっかり読み、それに対する記述をします。

次くらいのブログに書きますが、記述は知識とトレーニングです。

何百問も記述は解いてトレーニングはしましたので、あとは問題の趣旨を見誤らないことです。

全集中が必要です。

④の多肢選択式は文章の中に穴があって、選択肢の中にある言葉を選ぶ問題です。

一般知識の文章理解と近いものがあるので、これも解答方法を訓練すれば正解することが出来ます。
これも集中力が必要なので、私は前半に持ってきてます。

1時間10分くらいたったところで、⑤の行政法です。行政法は知識を問われる問題が多く、特に頭を使い思考する問題は少ないのですが、ここでスムーズに問題を解いてリズムを作れば、その次の民法にベストコンディションで臨めるので、あえて民法の直前に入れました。

19問ありますが30分で十分です。知識を問う問題がメインなので1問1分ちょっとで終わります。
解答が正解であるかも解いたときに大体分かります。

目指すは全問正解です。

ここでリズムを作ることが大切です。

何故なら、次に待ち構える民法は最近の行政書士試験は非常に難易度が高くなってるからです。

⑥の民法ですが、問題数は9問です。

ですが、19問ある行政法と同じ30分で組みました。
本当はもっと時間かけてもいいくらいです。

私だけでなく多くの方も同じことを言いますが、最近の行政書士試験の民法は、凄く難易度が高いです。

私が受験したタイミングはなぜか特に難しかったと思います。

過去問の焼き増しみたいな問題もほとんどないですし、王道の債権とかでなく重箱の隅を突っつくみたいな問題ばかりです。

本当は脳が疲れていないタイミングで解いた方がいいですが、私はあえて行政法でリズムを作った、まるでランナーズハイになっている状態で問題を解いた方が自分に合っているのでそうしました。

⑦の基礎法学ですが、これは出題範囲が広すぎて勉強が困難なので、感性で回答するみたいな感じでした。

2問あるので1問正解すればいいかなというところです。時間も5分もいらないかもしれません。

⑧の憲法は知識と思考どちらとも必要です。
問題数は5問で時間は15分作りました。

この時間帯(開始から2時間半くらいです)は、疲労が一気にきますが、力を振り絞って憲法の問題を解きます。

⑨の商法は、商法が1問で会社法が4問です。

これも思考の問題より知識を問う問題が多いので、疲れ果てていてもどうにか解くことはできます。

ここまでで170分なので、残り10分で見直しをします。

その予定のはずでした。

私はこの180分の闘いの中で2回窮地に立たされることになりました。

まず一回目が多肢選択式が終わり行政法の問題を解く時間帯、60分を経過した頃でした。

宿敵の一般知識を終えて、記述もおそらく正解に近い解答だろうと思い序盤の1時間は出だしとしては悪くありませんでした。
(銀行業務で一度調べた内容に関連する問題が1問出ていて、ガッツポーズをしてしまいました)

行政法の問題を解く予定時間より5分ほど早く取り掛かれ、時間に余裕あれば民法にちょっと時間を使おうかなと思っていた矢先にトラブルが発生しました。

何故か、もの凄くトイレに行きたくなったのです。

当日は水分も控え目にし、念のため着席する前にもトイレに行ったのに、なんでこのタイミングで!

これが何故トラブルかと言いますと、行政書士試験中は始めの90分とラスト10分は退室を認めてなく、その時間帯に退室した場合は「試験放棄」とみなされるのです。

ここまで頑張ってきたのに、こんなことで放棄する訳にはいきません。残酷な話です。

90分経過するとトイレで退室ができるので、25分間の我慢です。

ですが、人は意識するとそればっかり考えてしまいます。

60問中の19問、しかも全問正解を狙える行政法の問題76点を最悪のコンディションで解くはめになりました。

時間が経てばたつほど大変な状態になり、正直涙が出そうでした。

「なんて自分は弱くてダメな人間なんだろう。」心から思いました。

でも、耐えました。

妻に申し訳なかったからです。

ずっと陰から支えてくれていて、何の文句を言わずひたすら私の合格を信じてくれている人に申し訳ないのです。

私が勉強に集中できていたのは、妻のサポートがあったからで、特に体調を崩すこともなかったのも、しっかり栄養のある食事を作ってくれてたからです。

私が仕事しながら勉強している期間、9割近くの知人は否定的でした。

「合格できる訳ない、行政書士になっても食えない。」
(でもそれらの当時の意見は、今言えますが間違ってます。私は合格をしたし、食えない事も全くないです。)

妻と一部の友人は私を心から応援してくれてました。
それは建前でなく、本心からのエールと私は信じていました。

ですので、地獄の25分間を耐え忍ぶことができました。

行政法はさっき書いた通り、知識で解く問題が多く思考する場面が少ないので、その状態でもどうにか問題を解くことが出来ました。

開始から90分経った瞬間に挙手しました。

どうにか間に合い大変なことにはならず試験会場に戻ってきました。

行政法を2問ほど残していたので、さっくっと解き、民法に移りました。

この時は、地獄から解放されある意味ベストコンディションだったので、民法は9問中8問正解することが出来ました。

その後の憲法や商法もそんなに難しい問題はなかったので、リズムよく解きトイレに行ったにも関わらず時間が15分近くあまりました。

その間は見直しをしました。

一番点数の大きい記述を見直し、特に問題ありませんでした。

そして、重要な文章理解の見直しをした時です。

なんとなく、自分の解答に違和感を覚えました。

「間違っている気がする」

文章理解は解き方に方法があるから全問正解が出来ると書きましたが、方法が分かっていても判断に迷う問題もあります。

まさにそれでした。

どっちが正しいのか分からなくなりました。

時間はもうラスト5分を切っています。

文章理解は脳が疲れていない一発目に取り掛かるので、その時間帯の自分の方が頭が冴えているはずです。

開始から177分経過した疲れ果てた自分の思考回路なんて、あてになりません。

でも、「間違っている気がする」から「たぶん間違いだ」に変わりました。

ラスト1分まで書き直すか迷いました。

時限爆弾の解除のクライマックスみたいに「赤のコードか青のコード、どっちを切ればいい?」みたいな感じです。

私は書き直しました。

そしてラスト10秒は奥歯をぐっと嚙み、目をギュッとつぶりました。

試験が終わりクタクタの状態で会場を出ていくと妻が待っててくれました。

とりあえず終わったから、キンキンに冷えた生ビールが飲みたくて博多までJRで行き、冷たいビールを飲みました。

午後7時くらいから回答速報が少しずつ色んな予備校がネットで公開してくれます。

基本的に一般知識から公開し、法令はその後に公開されていきます。
(記述はあまり公開されません)

私の場合、法令科目は今回トラブルで多くを落としましたが、それでも十分合格に必要な点は取れていると思ってました。

問題は一般知識です。

ここで、せめて6問正解で足切りだけは勘弁して欲しいと強く願いました。

各予備校の解答は基本的にどこも同じなので、一番早くアップされる予備校の公開時間を待ちました。

ドキドキしながら妻と予想回答速報を見ました。

一般知識からアップされました。

そして結果、試験中の最後の判断が合否を決めました。

最後に書き直しをしていなければ、私の一般知識の正解数が5問で足切りだったのです。
最後の書き直した答えが正解でした。

恐ろしい話です。

今回6問正解で、内、文章理解は3問中全問正解、銀行業務で関わった社会の問題が1問、個人情報保護法1問、あと情報通信の問題1問でギリギリ一般知識の足切りをクリアしました。

その後、法令科目もアップされました。

残念ながら一番得意な行政法はトラブルで6割くらいしか正解できませんでしたが、民法と会社法の正解率が高く法令は記述の採点待ちになりますが、まあ大丈夫だろうといったところでした。

翌年、合格通知書が届きました。

(まとめ)

私が行政書士試験を合格できたのは、応援してくれた妻と友人、ラストスパートの時期に模擬試験とYouTubeでお世話になった伊藤塾、社会の勉強をする場を提供してくれた職場の銀行、そこを紹介してくれた派遣会社、全ての方のおかげです。

どれか1つでもピースが揃わなければ合格できてません。

特に妻には本当に感謝しています。

実際、1日10時間近く働きながら、毎日4時間くらい勉強を長期間休むことなく継続するって、かなりきつかったです。

そんな時いつも妻が支えてくれてると知っていたので、なんかもう、自分のためでなく妻のために頑張ろうと思って勉強してました。

意外と自分のためより、人のための方が頑張れたりします。

この試験を通して私は自分のことを知る事ができました。

私は、不器用で要領が悪いです。間違いに気づくことも遅かったりします。
当時は一般知識に悩まされるほど教養もありませんでした。

ですが、自分は努力を継続することができる人間である事を知りました。

誰かのためなら力を出せるタイプの人間である事を知りました。

人に感謝が出来る人間である事を知りました。

もっと自分を成長させるため現在も業務の時間以外はできるだけ色んな勉強をしてます。

これは行政書士試験が終わってからも、ずっと継続しています。

まだまだ未熟ですので、もっともっと沢山勉強していきたいと思います。

※ちなみに興味あるので毎年、最新行政書士試験の一般知識の問題解いてますが、現在は満点とは言いませんが、12問以上は普通に解けます。

相当長くなりましたが、次回から実際の各法令科目などの私なりの攻略法を書きます。

次回は「行政書士試験合格術 憲法」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。