こんにちは。
福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。
このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!
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今回は「契約書 不動産」について書いていきます。
日常生活の中で契約書はつきものです。部屋を借りたり車をローンで買ったり等、人生で契約をしないことはまずありません。
生活の色んな事が何らかの形の契約になっています。
「契約書」を作成する場合は、法律の趣旨に乗っ取りお互いがきちんと同意できる内容で慎重に作成が必要ですので法律知識が必要になります。
今回は「不動産」に関連する契約で「土地」の賃貸借の契約書について書きます。
「不動産」の契約書は色々ありますが、「土地の賃貸借契約」にスポットをあてます。
実は以前私が親戚に相談を受けたことがある案件です。
「土地を賃貸借し、借主がその土地に家を建てる」という内容の相談でした。
親戚にブログに書くことの許可をもらったので内容を書きます。
ポイントは下記です。
①以前から借主は土地を賃貸借していて、最近土地の所有者が変わった
②借主は以前から土地に家を建てていて今後も住み続ける
③貸主の要望は契約終了時には家を撤去し更地にして欲しい
「土地の所有者」が変わったため、新たに契約書を作り直したいということです。
具体的な内容を書いていきます。
(契約書作成のポイント)
①について
建物所有以外の目的で土地を賃貸借契約する場合は、「借地借家法」は適用されません。
例えば資材置き場や駐車場などです。
この場合は民法に従い契約期間は最長50年になります。(令和2年4月以降)民法第604条
以前は20年でした。
建物所有目的の土地賃貸借契約の場合は、「借地借家法」が適用されます。
この場合は30年となります。それより長い期間を定めることもできます。 借地借家法 第3条
※民法が改正されているので現行法で契約書の作成が必要です。
②について
契約の更新期間は、初回最低20年、2回目以降は10年となっています。これもそれより長い期間を定めることもできます。 借地借家法 第4条
・契約の更新
〇契約期間満了時に借主が契約更新を請求した場合。
〇契約期間満了後に借主が土地の利用を継続している場合。
この2点で契約を更新したとみなします。 借地借家法 第5条
③について
今回は③が一番のポイントです。
貸主にとっては契約が終了した場合は土地を更地に戻して返して欲しいと考えるのは自然です。
本来、契約満了時に更地にして返還する義務がありますが、借主は最後に撤去工事をして返すとなると多額の費用が発生してしまいますので借主を保護するためにできた法制度です。
まだ価値がある不動産(建物)を撤去せずに、両者折り合いを合わせるために「建物買取請求権」があります。
借地借家法13条1項:「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる」
借主が建物買取請求権を行使した場合、地主が買取を承諾しなくても、借主の一方的な買取請求の意思が地主に通知されれば、それだけで強制的・自動的に建物の売買契約が成立します。
ですが、なんでもかんでも「建物買取請求権」が認められるわけでなく要件があります。
権利行使の要件
・契約期間が満了したこと
・契約の更新がないこと
※契約の更新を拒絶等して満了時に更新ができなかった場合ですが、地代の不払いなどの義務違反があれば拒否可能です。貸主を保護するためです。
合意解除の場合も適用されません。
・借地上に建物があることである。
以前私が親戚に相談を受けた件に関しては、貸主借主ともに撤去することに合意があったので、覚書や契約書に明記することになったみたいです。
ですが、この「建物買取請求権」は非常に重要なので認識が必要です。
※個人間ではなく「事業用定期借地権」の場合は、買取の請求をしないと定めることも可能です。
(覚書とは)
土地賃貸借契約書作成のための覚書契約内容の確認をしたり、契約の補足や変更について記した書類です。
認識相違から生じるトラブルを避ける事ができます。
両者の署名捺印が必要で、2通作成しそれぞれ保管しますので法的な根拠を持ち証拠能力も高いです。
(覚書の書き方の例)
今回は契約内容の変更も含めた内容でです。
(土地賃貸借契約書の書き方の例)
今回は原契約からの更新分の内容で書きます。
(まとめ)
不動産に関する解約は通常不動産会社が仲介していることが多いですが、個人間でのやり取りもやはり多いです。
その場合、あとあとトラブルを避けるため法律の趣旨に従って契約書と覚書を作成し、貸主も借主も認識の相違を避け、納得いった上で契約を開始すべきです。
けっこう民法や借地借家法の色んな部分が改正されているので、きちんと確認し現行法で契約書の作成が必要です。
何かあればご相談下さい。
次回は「契約書 金銭」についてブログを書きますのでよろしくお願いします。