こんにちは。
福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。
このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!
もっとこんなことを知りたい!や具体的な事案などあれば、コメント・メールお待ちしております。
今回は前回の続きで「定款作成③」についてブログを書きます。
細かいところも書いていくので長丁場になりますが、よろしくお願いします。
(作成のポイント)
作成のポイントは下記です。
①商号
②事業目的
③本店所在地
④公告方法
⑤資本金
⑥事業年度
⑦発起人
⑧取締役
⑨発行可能株式総数
⑩株式の譲渡
⑪取締役会設置の有無
⑫その他
③本店所在地まで書いたので、④から⑥まで書いて続きは次回に書きます。
④公告方法について
「公告」とは会社から株主や債権者などに何かをお知らせすることです。
具体的には、「会社法 第440条1項」に「賃借対照表」の広告をすることが義務付けられています。
いわゆる決算公告です。
その他、合併や資本金の減少など、会社の債権者に不利益がでるおそれがある場合も公告義務があります。
債権者に異議を申し出る機会を当然に与えるためです。「会社法 第449条」
公告の方法は、「官報」か「電子公告」が多いです。
「官報」は国が発行している新聞みたいなもので、「電子公告」は文書を自社のHPなどで掲載することです。
電子公告は、改ざんなどの問題を避けるため第三者の電子公告調査機関に依頼して、問題ないことを証明してもらう必要があります。
費用の面で考えると以下です。
「官報」は1年間で6万円くらいです。
「電子公告」は賃借対照表の広告に関しては費用がほとんど発生しませんが、債権者保護手続きに関する広告は、第三者機関に依頼して証明してもらう義務があるので、官報よりも高くなることがあります。
ですので、実際は官報の方が多いです。
⑤資本金について
資本金を決める場合は下記のポイントがあります。
A 許認可を受ける場合は、資本金がいくら以上という要件があるものもあります。
B 資本金が1,000万円を超えると消費税が課税される
C 資本金が少なすぎると銀行口座開設ができない場合がある。
Aについて
許認可を受ける業務の場合は、資本金が要件になっているものもいくつかあります。
例
一般建設業 500万円以上
特定建設業 2,000万円以上
一般人材派遣業 2,000万円以上
第一種旅行業 3,000万円以上
第一種金融商品取引業 5,000万円以上
Bについて
私は税理士でなく、行政書士なので一般的、個人的な知識ですが、
資本金が1,000万円以上ですと初年度から消費税が課税されます。
会社を設立すると設立2期までは消費税が免除されますので、許認可などの事情が無い限りは資本金は1,000万円以下にしていた方がいいです。
ですが、初年度の6か月間で課税売上高と給与支払額が1,000万円以上にならないことが要件です。
資本金は会社のスタミナを外部に示すものなので、高く設定したいお気持ちは理解できますが、深く考える部分かなと思います。
一般的には、初期費用+運転資金3ヶ月分が目安です。
※企業して実際に利益が生まれ始めるのは早くても3ヶ月くらいかかるからです。
Cについて
銀行によって最低額は違いますが、資本金が少なすぎると口座開設が出来ないことがあります。
実際に私が以前勤めていた銀行も基準額があり、満たない場合は審査もなく書類を返却してました。
金融機関からの融資も限りが出てきます。
あと、企業と企業の取引、いわゆる「BtoB」の際は新規取引ですと、あまりにも資本金が少ないと
支払能力を疑われたりします。
ですので、300万円以上くらいが理想的です。
⑥事業年度について
「事業年度」とは、会社の「決算書」を作成するために期間を区切るものです。
1年以下で定める必要があります。
事業年度を決める際の一番のポイントは、「消費税の免税期間を最長にする!」ことです。
資本金が1,000万円未満の会社は、2期目目まで消費税が免税されます。
ですので例えば、6月に会社を設立したとしても、翌年4月を事業年度とせず、6月にすることで24か月免税期間を作ることができます。
ですが、資金繰りのタイミングや繁忙期を避けたり等、いろんな工夫が必要です。
(まとめ)
今日は「公告方法」「資本金」「事業年度」の3つを書きました。
一番重要なのは「資本金」かなと思います。
株式会社は資本金1円でも設立できます。
業種によっては特に問題ないこともあるのでチャレンジしやすいと思いますが、やはり日本は昔から株式会社にステータスがあり、株式会社の場合、資本金もステータスの1つとして見られることもあるので、最低限度の見栄えのある資本金があった方がいいのかなとも思います。
合同会社はちょっと違ってきます。
事業年度も重要で考えて決める必要があるので、バランスをとって決定して頂ければと思います。
次回は「定款作成④」についてブログを書きますのでよろしくお願いいたします。