「定款作成②」について

こんにちは。

福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。

このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!

もっとこんなことを知りたい!や具体的な事案などあれば、コメント・メールお待ちしております。

今回は前回の続きで「定款作成②」についてブログを書きます。

前回は「定款」の概要や必要記載事項について書きました。

定款は会社の基本的なルールを記載しますが、本当に適切な事項が抜けていて、また変更となると登録免許税3万円がかかってしまいます。

ですので、今回は実際に作成する際のポイントについて書いていきます。

(作成のポイント)

作成のポイントは下記です。

①商号

②事業目的

③本店所在地

④公告方法

⑤資本金

⑥事業年度

⑦発起人

⑧取締役

⑨発行可能株式総数

⑩株式の譲渡

⑪取締役会設置の有無

⑫その他

長くなりそうなので今回は③まで書いて続きは次回に書きます。

①商号について

会社名を決める時のポイントは3つです。

・同一所在地に同一名がないか確認する

・有名企業と同じ名前は使用しない

・商標登録している商品名は使用しない

「同一所在地に同一名がないか確認する」について

会社法では、同一の本店所在地に同じ会社名があると場合は使用できません。

法務局で確認するか、ネットで「登記情報サービス」を使って確認することになります。

余談ですが、行政書士事務所は同じ都道府県の中に同じ屋号があると登録できません。

私は開業するとき、どうしても「LIFE行政書士事務所」という名前にしたかったので、行政書士会のHPで確認して問題なかったのですが、どうしても心配で日本行政書士会連合会に電話までして確認しました。

私が「どうしても」を2回使うくらい名前は重要です。
名前は経営者の想いや魂です。

できるだけ早い段階で確認した方がいいです。

「有名企業と同じ名前は使用しない」について

結論から言うと、訴えられる可能性があります。

不正の目的がなかったとしても、大手の名前や類似した名前を使うと、その類似した商号を使用されたことにより、大手企業に損害が出れば損害賠償の請求をされます。

オリジナリティを出しましょう!

「商標登録している商品名は使用しない」について

これも結論から言うと、訴えられる可能性があります。

商標登録とは簡単に言うと、商品やサービスにネーミングやロゴを特許庁に登録することです。

有名なネーミングやロゴはほとんど商標登録がされています。

消費者のイメージとして、「このネーミングはあそこの会社のあの商品だ」と刷り込まれているので、勝手に類似した名前を使い本家に損害が出れば、当然損害賠償の請求があります。

商標登録は「特許電子図書館」ですぐに調べることができますので、事前確認をお願いします。

「その他の注意点」

・法人格(株式会社、合同会社)を入れる

・ギリシャ文字など使えない文字もある

②事業目的について

事業目的を決める時のポイントは3つです。

・許認可を受ける予定がある業務は必ず事業目的に入れる

・営利性のあるものでないといけない

・事業目的を多くしない

「許認可を受ける予定がある業務は必ず事業目的に入れる」について

建設業や飲食業は業務をするために許認可申請を行います。

その際定款の提出する時に、事業目的にその業務が入っている必要があります。
そうしておかないと許認可が下りない可能性があります。

「営利性のあるものでないといけない」について

株式会社や合同会社はNPO法人等と違い営利性を求める法人ですので、ボランティア活動とか営利性のない目的は記載できません。

「事業目的を多くしない」について

事業目的が多すぎると何の会社かよく分からないイメージを持たれます。

実は以前、私は行政書士試験に合格するためアパレル業界を脱サラし、銀行で少しの期間働いていたことがあります。

その時は「法人口座開設部」でした。

当然、履歴事項全部証明書を提出して頂き審査するのですが、事業目的が多く事業が不透明な場合、スムーズに口座開設ができないことがありました。

誰が見ても何の業務に力を入れているか、分かりやすくしましょう。

③本店所在地について

「本店所在地」「本店所在場所」と違います。

定款には「本店所在地」、登記簿には「本店所在場所」を記載します。

「本店所在場所」は、具体的な場所なので丁目番号やビル名の表示をしますが、「本店所在地」は「最小行政区画」までのことです。

「最小行政区画」とは「市区町村」になります。

例えば、「東京都千代田区」とか「久留米市」とかです。

政令指定都市の福岡市の中央区や南区の「区」は東京都の「区」とは扱いが違うので、この場合は「福岡市」が最小行政区画になります。

定款の本店所在地は番地まで記載することが出来ますが、多くは最小行政区画で止めます。

理由としては、本店の住所が事務所移転で変わったとき、また定款を変更しないといけないからです。

「久留米市」や「福岡市」であれば「福岡市中央区」から「福岡市博多区」に本店が移動しても「福岡市」のままで大丈夫です。

定款を変更するとなると、株主総会を開催して定款変更の決議が必要ですし、登録免許税3万円が発生するので最小行政区画で止めましょう。

(まとめ)

今回は「商号」「事業目的」「本店所在地」の3つしか書きませんでしたが、それでも、それぞれ気を付けるべきポイントが色々あります。

特に事業目的は大切です。登記した場合、履歴事項全部証明書は公の目に触れるものとなります。

ホームページと同様に何をしている会社であるかが明白だと会社に対する信頼度も上がります。

目的を沢山記載したい気持ちもよく分かりますが、シンプルイズベストでお願いします。

残りの内容はまた次回から書いていきます。

次回は「定款作成③」についてブログを書きますのでよろしくお願いします。