こんにちは。
福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。
このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!
もっとこんなことを知りたい!や具体的な事案などあれば、コメント・メールお待ちしております。
今回は新規の法人様向けで「定款作成①」についてブログを書きます。
このブログを書こうと思ったのは、よくネットとかでひな型があるのでそれを見て作る方が多いのですが、定款は会社の基本ルールであり、トラブルがあった時にその定款の内容にそって解決することになりますので、とても重要です。
実は私の友人も先日、株式会社を立ち上げました。
色々相談を受けましたが、やはり初めてですと分からないことが多いと思います。
各項目にポイントがあるので、是非自分で作成するときに参考にしていただければ幸いです。
(定款とは)
「定款」とは、会社を設立する際に会社の基本的なルールを定めたもので、法務局で設立登記をする際の必要書類の1つです。
定款は作成した後に、公証役場で定款を認証してもらいます。
公証人から認証を受けることで、始めて法的な効力を発生させることができます。
認証を受けずに会社を設立してしまうと、定款の内容は無効になります。
そもそも法務局での設立登記が完了しません。
将来起こりうるトラブルを解決するためにも必要です。
定款というのは非常に重要で、通常株主総会は多数決で1/2が賛成すればいいですが、定款の変更は重大なことで2/3の賛成が必要となります。
※「合同会社」は定款は必要ですが「認証」は不要です。
株式会社の場合、株式を発行するので「株主」が存在します。
株主は株を持っているだけで、実際に経営するのは別の人のことが多いです。
つまり会社の所有者と経営者が別になります。
「所有と経営の分離」といいます。
ですが、合同会社の場合は所有と経営者が分離することがありません。
合同会社は、設立した際に出資した人が経営者になり出資者全員が経営者になります。
そして、それぞれ会社の所有する権利を持っていて、会社の経営に関与しています。
定款の変更の場合も、社員全員の同意が必要です。
ですので、株式会社と違ってトラブルが起きにくいということで認証が無いです。
(定款の記載事項)
・絶対的記載事項
・相対的記載事項
・任意的記載事項
「絶対的記載事項」とは必ず記載しないといけない内容で、会社の商号、目的、本店所在地、出資額、発起人、発行可能株式総数などです。
※次回詳しく書きますが、事業目的は重要です。
「相対的記載事項」とは「定款に記載しないと効力を持たない事項」です。
例としては下記です。
「現物出資」
「種類株式」
「株式譲渡の制限」
「現物出資」は通常会社の設立の際は金銭での出資です。
ですが、金銭以外の不動産などの財産を出資することも可能です。
その際に定款に誰がどの財産を出資したか記載しないと効力が認められません。
「種類株式」は一部の株主だけ余剰金の配当を多めに設定する場合や、重要事項の決定をする株主総会の議決権を一部の株主に限定する場合などです。
「株式譲渡の制限」は、通常株式の譲渡は自由ですが、それに制限をかけることです。
目的としては、重要事項を決定する株主総会は出来れば、全員知っている方の方が安心なので譲渡する場合は、他の株主の同意を要求する様に定款で定める事です。
※実はこの「株式譲渡の制限」はとても重要なので次回詳しく書きます。
「任意的記載事項」は、それが記載されてなくても定款の有効性に影響を及ぼさない内容です。
定款外で定めることも出来ます。
(作成のポイント)
作成のポイントは下記です。
①商号
②事業目的
③本店所在地
④公告方法
⑤資本金
⑥事業年度
⑦発起人
⑧取締役
⑨発行可能株式総数
⑩株式の譲渡
⑪取締役会設置の有無
⑫その他
意外と前置きが長くなってしまったので、詳細は次回書きます。
(まとめ)
今回は「定款」の概要のブログを書きました。
会社経営者の方がアクビ出る内容だと思うので本当に申し訳ございません。
最初に書いたように私の友人が今年会社を設立しましたが、初めてで分からないことが多かったことや、別の友人が年末か年明けに会社を立ち上げるとの事で、皆まとめてこのブログみてね、という思いで書いています。
会社を設立することはロマンであり準備期間は大変ですが、楽しいものです。
今後、会社を適正に運営していくうえで、「会社の憲法」と言われる定款はネットのひな型を埋めればいいと考えるのではなく、意味を理解した上でしっかり考え作成すべきです。
ですので、今回結構細かい所まで書いていきますがよろしくお願いします。
次回は「定款作成②」についてブログを書きますのでよろしくお願いします。