こんにちは。
福岡県久留米市にあるLIFE行政書士事務所の中江です。
このブログではどなたの身近にも起きうる可能性がある、相続、申請、トラブルなど日々の問題や心配事を解決するためのお役立ちアドバイスを更新していきます!
もっとこんなことを知りたい!や具体的な事案などあれば、コメント・メールお待ちしております。
今回は前回の続きで「Bar 開業②」を書きます。
前回は飲食店として基本的に満たさないといけない必須事項を書きました。
ですが、0時を過ぎる営業、深夜食堂みたいな「深夜営業」はまた追加の要件があります。
この要件がちょっと面倒くさいと仰る方も多かったので、ブログに綴ります。
(Barを開業するための条件)
①食品衛生責任者
②防火管理者
③飲食店営業許可
④特定遊興飲食店営業許可
⑤深夜酒類提供飲食店営業
前回③まで書いたので今回は④からスタートしますが、④と⑤を理解するためには「風営法」の概念も理解する必要があります。
(風営法とは)
「風営法」は、「風俗営業許可申請」を適正に行うために基準を設けた法律です。
風俗営業と聞くと、なんかいかがわしいイメージがありますが、そういうものとは少し違います。
例えば、クラブやキャバレー、ホストクラブ、ガールズバー、オカマバー、ディスコ、クラブ、まあじゃん店、ゲームセンター、パチンコ、ダーツバーや居酒屋、スナックなどです。
誰もが1回は行ったことがある店ですが、全てまとめて「風俗営業」のくくりになっています。
風俗営業は許可と届出があります。
所轄の警察署を通して都道府県の公安委員会に許可の申請、届出をします。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
第1条 この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業について、営業時間、営業区域を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。
風俗営業の種類の中に④特定遊興飲食店営業許可と⑤深夜酒類提供飲酒店営業開始届が存在します。
④について
「特定遊興飲食店営業許可」と言葉ですとイメージつきづらいですが、「深夜にお客様にお酒を提供し、遊興させる」という意味です。
ポイントは下記です。
・「深夜の時間帯」
・「お酒を提供」
・「遊興させる」
〇深夜の時間帯
午前0時から午前6時までに営業することです。
〇お酒を提供
完全ノンアルコールであれば特定遊興飲食店営業許可は不要です。
〇遊興させる
この「遊興」には2つの意味合いがあります。
・鑑賞型サービス
・参加型サービス
「鑑賞型」ですが、ショーを鑑賞するようにお客様に勧める営業です。
例えば、ライブハウスやショーパブなどです。
大画面のテレビでみんなでスポーツ観戦とかは積極的にショーを鑑賞させることではないので該当しません。
「参加型」ですが、遊戯で遊ぶことをお客様に勧める営業です。
例えば、ダーツバーやカラオケ、クラブなどです。
※「させる」の意味ですが、お勧めすることです。つまり遊興することを「営業」することです。
以上の3点を満たした場合は警察を通して公安委員会の許可を受ける必要があります。
このケースの場合は、カラオケがあるBarやダーツBarが該当します。
〇許可を受けるための要件
特定遊興飲食店営業許可を受けるためには、地域環境や未成年者に悪い影響を及ぼさないように「風営法」という法律で厳しく取り締まりされています。
ですので、許可を出す「公安委員会」は慎重に審査を行い、期間も長いです。
許可を受けるための要件は3つのポイントがあります。
1 「人」
2 「場所」
3 「営業所」
1 「人」について
欠格事由のある人は許可を取れません。内容が細かく沢山あるので下記はその一部です。
詳細はご相談いただくか、警視庁のHPで確認をお願いします。
・成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないもの
・1年以上の懲役、禁固の刑に処され5年経っていないもの
・アルコール、麻薬、あへん、覚醒剤等の中毒者
・許可の取消処分を受けて5年経過していないもの
・その他指定された法律で罪を犯していた場合
2 「場所」について
どんな場所にも店を出せるのではありません。
出せないエリアが存在します。
・営業所が住居系地域
・保全対象施設の周囲
「営業所が住居系地域」について
原則、住居系地域は店を出すことができません。
実際住宅街の中にポツンとダーツバーがあるのを見たことはないです。
商業地域かなと思っているエリアにも、住居系地域が混ざっている可能性も0ではないので、事前に確認をお願いします。
久留米の場合ですと、小頭町、通町、日吉町、本町、六ツ門町は原則営業できます。
「保全対象施設の周囲」について
学校や図書館、児童福祉施設、病院等です。
施設から営業所まで、決められた距離を離す必要があります。
施設に関しては、学校教育法や図書館法、児童福祉法など様々な法律で分類されているので、そこの確認も必要です。
店舗の周囲100メートルくらいは調査が必要です。
商業地域の場合は、50m(診療所は30m)
商業地域以外は、70m(診療所は50m)
3 「営業所」について
店舗の構造にも条件があり、下記6つの全てを満たす必要があります。
・客室の床面積は、33㎡以上である。
・客室の見通しを妨げる設備がないこと。
・営業所の照度が10ルクス以下にならないように、維持される必要な設備等がある。
・風俗を害するおそれのある写真、装飾等がないこと。
・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。
・騒音や振動の数値が条例で定める数値に達しないように維持されるための必要な構造、設備があること。
ちなみに10ルクスの照度のイメージですが、相手の顔が見えるかなくらいなので、小さなロウソクの灯りくらいでしょうか。
(まとめ)
今回の④と⑤の要素は「風営法1条」に要約されています。
通常の飲食店より少し手続きが多く大変かと思いますが、事前にスケジュールを立てて少しずつやっていくのがいいと思います。
今回は④しか書けてないので、次回は⑤を書きます。
次回は続きでで「Bar 開業③」についてブログを書きますのでよろしくお願いします。